空想携帯小説家ht2355(20120708)'s blog

空想携帯小説家(山本 繁一)の作品を公開しています。

誰かの来世の夢でもいい(歌詞イメージ小説)

安斉かれん(avex) × 空想携帯小説家

前編 star gazer

(ストーリー)

西暦2100年、我が国の人口数は、ついに五千万人を切る、事態を招いてしまった。

様々な要因が有るなか、極まったのが異性不信による、同性婚の増加、違法食品添加物による、無精子病の蔓延、人員不足改善もままならないまま、度重なる原子力発電所の爆発事故等があった。

また、この年から、地球に彗星が落ちる事件が多発、原因捜索も、予防策も、暗中模索のなか、日本の小中都市が、壊滅した。

 

西暦2110年、政府は、慢性化した財政難に収集を着けず、

主要都市に対衛星ネット「star gazer system」開発と引き換えに、県廃州治制度法案を提出。

新興宗教団体、経済界、野党等の猛反対を押し返し、ついに、県廃州治(自治政府)制度を敷く。

 

西暦2115年

中央政府の首都、シブヤ・メトロポリス

シブヤタワーの上空、波紋の形をした、stargazerを掠めるように、今日も彗星が落ちて行く。

 

それを見つめる女性の瞳から、静かに涙が流れる。

 

calen(image安斉かれん)

「・・・・・」

 

ホログラフィーフォンが、着信を知らせている。〉

calen「はい。」

 

時空監理官(imageノブfrom千鳥)

stargazer間を、移動する乗り物を完成させた。」

 

calen「いま、そちらに向かいます。」

 

時空監理官

「これで、万事上手く行きますかね?」

 

時空監理局所長(image 大悟from千鳥)

「あぁ、テストパイロットとして、相応しい、冷静さを、かね揃えているのは、住民台帳からも、事前調査済みだ。・・・過去を書き換える為の先駆者は、何よりも先ずは、冷静な判断力だ。」

 

時空監理官

「そういって、いままでのパイロット達は、我々の世界に、誰一人帰れなかったんですよ。」

 

局長「当たり前だ。過去の方が、放射能まみれで、生きることはないからな。」

 

監理官「もし、時空移動装置だと、バレたらどうします。」

局長「その時は・・・・」

 

〈開発倉庫の自動ドアが開く〉

calen「あのぅ。」

監理官「やぁ、よくきたね。(笑)stargazer移動用自動車、用意したよ。これで滞っていた、物流の流れが確実に再開出来る。」

 

calen「テストパイロットとして、stargazer間を移動すればいいんですよね?」

監理官「そうだ。この車の実証実験を、してくれればいい。無事にシブヤに帰ってきたら、報酬を渡そう。」

 

〈大型だが、スタイリッシュな、赤いスポーツカーに乗り込む、calen〉

 

calen「エンジンキーが、ない。」

監理官「ははっ。ハンドルの右上に、昔のクイズ番組に出そうな、赤いボタンがあるだろ?」

calen「はい。」

監理官「そのボタンに、君の手のひらを添えて見るんだ、ソッと静かに、君のいきたい場所を念じながら。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

短編集📻恋にならない恋

「コンビニにて。」

主人公  / 男子高校生

ヒロイン / コンビニ店員

 

ストーリー

いつも通うコンビニ、小学生の時には、無かったけれど、いつの間にか出来ていたコンビニ。

 

そこには、一人っ子の僕には、とーてー、釣り合わない、素敵なお姉さんがいた。

(自動ドア側、出入口が見える棚を整理する店員)

 

コンビニ店員「あ、来た。(笑)」

 

高校生「(^_^;) いっ、いらっしゃいませでしょ?そこは。(笑)」

 

コンビニ店員「相変わらず若いのに、小姑ねっ❤️(笑)、で、今日は何?、万引きっ?(笑)」

 

(コンビニの前ポケットから、スマホを取り出し、通報する素振りをする店員。その時一緒に何かが落ちた。)

 

高校生「すーるーかっ!(笑)」

 

僕は、年下にもかかわらず、いつも、フランクに接してくれた彼女に、・・・・恋してた。

 

高校生「あ、あの・・・」

 

コンビニ店員「ん、なに?、もうじき休憩さんと、交代しないと行けないから、手短にねぇっ🎵」

(鞄からラブレターを取り出し、渡そうとして、その足元の写真を拾い上げた。)

 

高校生「えっ・・・・」

 

コンビニ店員「あ、ごめん。見せびらかすつもりがなかったんだけど・・・やっとこさ両想いになって、結婚するのっ❤️。(笑)」

 

彼女の溢れ出すキラキラ感に、

僕は何事もなかったふりをして・・・・

 

高校生「あ、なんだ。早くいってくださいよぉ~、お姉さん、トリッキーすぎっ!(笑)」

 

ラブレターを握りしめ、スマホが、バイブレーションで、鳴ったふりをして、コンビニを後にした。

 

コンビニ店員「なんだ、変な子?(笑)」

 

僕は、公園のゴミ箱に、ラブレターを投げ捨て、その日から、そのコンビニを避けるように学校に通った。

 

数日後、母から聞いた話で、彼女は、コンビニで、一緒に働いた彼と結婚して、遠くの街に引っ越して行ったそうだ。

 

(終わり)

 

 

 

 

 

 

 

 

(1話完結)こんな私でよかったら ~女子高生×教師編

image song

ロンモンロウ「balloon me」from大塚家具

 

(本編・主人公の回想)

西暦20××年 6月、俺は、三十代で、ようやく結婚できる・・・・・

 

それも偶然であった、ファミレスの娘が、

見合い先の、財閥の家族だなんて・・・

 

(海辺の高台にあるチャペル。そこまで走ってかけ上がる女子高生が1人。)

 

神父(image温水洋一)「それでは、誓いのキッスを。」

 

(時おり咽びながら、休むまもなく、教会の扉を激しく叩く女子高生。)

 

女子高生(image紺野彩夏)「あーけーろーよーっ!」

 

(主人公は、花嫁のベールを上げる時に、聴き馴染みのある声に、戸惑う。)

 

杉田一平(image武田航平)

「う、うそだろ・・」

花嫁(image松井玲奈)

「え、だれ?・・・ぺーちゃん、他に誰かいるの?」

 

杉田一平「ば、バカ言うなよ。」

(扉の外で叫ぶ女子高生。)

 

南 華林(image紺野彩夏)

「先生!約束やぶんのかよ!」

 

花嫁「約束?!」

 

杉田「いーや、いやいやいや・・・」

 

花嫁「どうゆうこと?」

 

(教会の扉が開く)

 

華林「一平!」

 

杉田一平「か、華林・・・」

 

(フラッシュバックした瞬間、時は、三年前に戻る。ある日の夕暮れ、教室内で、告白する、南 華林)

 

華林「先生と、結婚したい。」

(男としての本能も疼いたが、グッとこらえ、自分の経済的立場を話す、杉田一平。)

 

一平「・・・・ごめん、今俺、インターンで先公やってっから、ガチで華林を幸せには、出来ない。」

 

(過去のトラウマが、引き金になったのか、一平の一言で、蓋をしていた筈の闇、即ち、心の底では、誰も信じられなくなっていた華林が顕れた。)

 

華林「あ、そう?・・・そーやってあんたも逃げるんだ・・・どーせ私は、交通遺児だから、ただ、かわいそーだなんて、近づいたんでしょっ!」

 

一平「華林、それはちげーぞ。」

(いきなり、制服をボタンを、自分を急かすように外す華林。)

 

華林「男なんて、皆同じ・・・」

一平「やめろ。・・・意味がない。」

華林「嘘だ。ヤりたいならヤりたいって、言えばいいじゃん!」

 

(下着姿で、一平に抱きつく華林だが・・・突然開く、教室の引き戸に凍りつく二人。)

 

校長(image柄本明)「杉田先生!何してるんですか!!」

 

(現実に戻る杉田一平。)

俺は、気がつくと、華林に手を引かれ、チャペルを後にしていた。

 

(教会下の、砂浜にたどり着く、一平と華林。)

 

南 華林「・・・」

 

杉田一平「どーすんだ?華林。三年前の件、校長に土下座して、見合い結婚と引き換えに、教壇に立てるようになったのに。」

 

南 華林「私を責めるのは勝手だけど、一平。地位や名誉って、そんなに大事?」

 

一平「・・・・・」

 

(一平の想い)

俺は、教育者の両親の元に生れた、一人っ子だ。

俺が生まれた頃は、

両親は仲が良かったらしいが、

俺が小学校に上がり出す前から、

夫婦なかは、

段々険悪に成っていった。

 

まー、今時の、見たくも聴きたくもない、

バットニュースみたいに、

家庭内殺人が無いだけマシだった。・・・・

 

一平「俺は、中学しか出てねーから、はくが欲しいんだ。」

 

華林「で?、いーとこの女と、できちゃった結婚して、え?、どっかの家に資産を掻っ払うために、入るんでしょ?名字や、出生まで変えて!」

 

(感極まって、右手を振り上げる一平。)

 

一平「いい加減にしろ!」

俺は、華林に、何処まで話せばいいんだろう。

 

華林「殴るの、いーよ、殴りなよ!・・・どーせ、生きてても、私なんか意味ないんだ、死んじゃえば良かった!」

 

(わんわん泣き出す華林。困惑する一平。)

 

一平「バカなこと言うなって!、亡くなった人のぶんまで、前向きに生きないで、どうすんだ?」

 

(一平の足元にすがり付き、激しく泣きじゃくる華林。)

 

華林「前向きに生きるって何?、

家族みんなしんぢゃったんだよ!!、

 

私の心のなかは空っぽなのっ!

未来を見守ってくれる人が、

居ないんだよ!・・・

 

先生約束したじゃん!、(結婚は無理でも、)私が卒業するまで見守るって!」

 

一平「それはだな?」

(花嫁の父と、仲人の校長が、一平たちに近付いてきた。)

 

花嫁の父(image奥田瑛二)

「これは一体何だね?、えぇっ!?・・・

私の娘に対する侮辱か?!おいっ!」

 

校長「すっ、杉田くん、君って奴は、まだ、そんなカネクイムシに、チョッカイ出してるのかね!」

 

華林「金食い虫ってなんだよっ!」

 

(校長のネクタイを鷲掴み、グイグイ前後に振る華林)

 

校長「フン、たかが身内が亡くなったぐらいで、・・・

どっかのアジア人見たいに、

税金で、三食食べて、

光熱費を払って貰って、

今度は男アサリかっ!・・・

 

杉田君はなぁ、

後々町長になってもらわなぁ、いかん人だ。・・・公民党の議員として。」

 

華林「はぁっ?、それって、政略結婚じゃん!・・・良いの?一平!」

 

一平「たかが、身内・・・・」

(聞き取った言葉の断片から、一平は、中学校から帰ってきた目の前に、首を吊った父、家のなかを夢中で、母親を探すが、最後に見つけた浴室で、手首を斬り、失血死している母の姿を思い出してしまう。)

 

校長「な、何をするんだっ、アバズレの野良猫風情が!」

 

(背広から、スマホを取り出し、高く頭上にかざす校長。)

 

校長「3年A組、南 華林!・・・警察に通報されたくなければ、名誉退学処分を受けよ!」

 

華林「名誉退学?!」

校長「そーだ、名誉退学だ。毎年、県内ベストテンには、入りずらかった我が校だが、南華林。君の編入により、たった3年間で、偏差値があがり、今じゃ御三家になった。その礼をしてやるっていってんだ?、大人の優しさに、君は深々と、感謝すべきではないのかな?(笑)」

 

華林「確かに、大人のお陰で、高校まで行けたけど、冗談じゃない。杉田先生が支えてくれたから、頑張れたんだ。一人ぼっちの私に力を貸してくれたから、今日までこれたんだ。」

 

(あきれてその場を立ち去ろうとする、花嫁の父。)

花嫁の父「やってられん。、期待をもって結婚を望む、うちの娘が可哀想だ。校長。学費支援、来年度で、打ち切らせてもらう。いいな。」

 

校長「ちょ、ちょっと待ってください。」

(花嫁の父を追う校長の隙をつき、一平は、右ストレートを、校長に浴びせてしまう。)

 

華林「い、一平?!」

一平「たかが、身内だと?」

校長「くっ、クビだ!杉田君、今すぐ出てけ!」

 

(仰向けに倒れた校長の上で、マウントを取り、胸ぐらを締め上げる一平。)

 

一平「ふざけんなよ!、親が先に、突然亡くなった子供が、どんな想いをして、生きてきたか、わかってんのか!」

 

(再び殴ろうとした一平を、背後から、抱き締めて、必死に食い止める華林。)

 

華林「わかった!。わかったからっ!、もうやめて!、一平の人生まで、おかしくなるから、ねぇっ!」

 

(我に返り、立ちあがり、校長に一礼してその場を立ち去る一平。後を追う華林。)

 

数年後、

俺らは結婚して、子供が一人生まれ、狭いながらも、アパート暮らしをしている。

 

(夜中に泣き出しそうな、赤ちゃんの声を聞き、赤ちゃんを抱き上げ、そっと玄関へ向かう一平。)

 

華林「大丈夫?徹夜明けだったんでしょ?」

一平「いいから、寝てな。(  ̄▽ ̄)」

 

今夜も、海辺に映る月が、綺麗だ。

(おわり。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

18 クリスマス企画小説(後)

Another songs(後編)

サンタクロースのトラックは、小雪舞う軽井沢駅のロータリーに着いた。

 

Another MEL(image芦田愛菜)

「ありがと、おじさんっ❤️」

 

サンタクロース(image小日向文世)

「メルちゃん、ボクはいま、サンタだから、サンタさんって、言ってね?(笑)」

 

メル「ごめんなさい。」

 

小井戸勇気(image小関裕太)

「さ、寒いっ!・・・は、早く暖を取りたいっ!」

 

トナカイ・オオタケ(image大竹一樹)

「うっせーな、ワケぇくせに。」

 

トナカイ・ミムラ(image三村マサカズ)

「まままま、オオタケさん、人間に噛み付いてもしょうがねーし。(笑)」

 

小井戸「あなたたちも、見た目は、人間に見えますけど?」

 

ミムラ「ほんと、こまけーな、コイツ。死んで当然かもな(笑)?」

 

オオタケ「でも、こっちが迷惑だわ!」

 

バインダーに着けていたリストを、見終わったサンタが、メルたちに声をかける。

 

サンタクロース

「いいかい。本来、時間は帰らないもの。

挫折にまみれ、一瞬を燃えるように、

生きる人も居れば、

 

変化を求めず、

たんたんと、日々を重ね、

一生を終える人もいる。

 

私は、何かを強いる事はしないが、

自分の判断(意思)で、

後悔しない、一生を送って欲しい。

ただ、それだけさ。」

 

ミムラ

「でちゃったよ、お言葉。」

 

オオタケ

「俺らには、そんなこと言ってくんねーし。」

 

再びエンジンキーを回すサンタクロース。

 

サンタクロース

「君らは、私の私財だから、特に言うことはない。(笑)」

 

ミムラ「私物かよっ!」

小井戸に、防寒着を渡すオオタケ。

オオタケ「あー、だりぃ~」

 

サンタクロースのトラックは、静かにその場を立ち去った。

 

小井戸「・・・・」

メル「どしたー?」

小井戸「いや、なんでも・・・・」

 

小井戸の手を握り、何処かへ行こうとするメル。

小井戸「どっ、どこ行くんだよ?」

メル「別荘。」

小井戸「お、俺、ロリコンじゃ、ないし。(・・;)(;^_^A」

メル「となりの国の風習じゃあるまいし、バカじゃん!(笑)・・・これから行くのは、あんたんちの別荘!」

 

ズンズン手を繋ぎながら、茂みを進むメル。

空から、粉雪が散り始めた。

小井戸「な、なんで、俺んちの別荘ナンだよ。(もう、人のものだろうけど・・・)」

メル「さぁ、着いたら、ちゃんと、相田よし子にコクりなさい!わかった?(さもなければ・・・・)」

 

うっそうな森林の中に、ひっそりと、たたずむ別荘は、高級感ある、二階建てログハウスだ。

小井戸「結構、車が停まってんなぁ。」

メル「クリスマスパーティーみたい。」

小井戸「高給取りで、いいご身分ですなぁ~」

 

背の高い、小井戸の突飛な大声に、飛び掛かるように、鼻と口を塞ぐメル

メル「うっさいっ!」

小井戸「(( ̄  ̄;)(い、息ができね。)」

 

別荘から、数人の女性が出てきた。

女子アナ③「ほんま、これでよし子が幸せになってくれたら、うちは、言うこと無しや(笑)」

首を傾げる、女子アナ仲間たち

 

女子アナ②「これって、不倫でしょ?」

女子アナ③「何ゅうてん?先輩、奥さんと別れるってゆうてたやん?」

 

女子アナ①「うちら、それ、初ネタですけど。」

 

女子アナ②「え?、うそ、よし子の憧れの先輩と、つき・・・」

 

全力で体で否定する女子アナ

女子アナ③「うそやんっ!うそ、うそぉっ!うちが、不倫なんかするわけないやん!バカクサ(笑;)」

 

買い出しでも行くのか、女子アナたちを乗せた、一台のワゴン車が、別荘を離れて行った。

 

小井戸「大したことないなぁ、まるで、所詮酒畜乱輪(犬猫)じゃね~か?・・・で、よし子さんは・・・・」

 

先輩アナウンサーが、酔いにまかせて、よし子に迫っている。

先輩アナウンサー「良いじゃないか?、相田君。」

スーツの上着を脱ぎ捨てながら、長テーブルの周りを逃げ惑うよし子を、ジリジリと、追い詰めてる。

 

小井戸「あーあ、こりゃ、スッポリだな?(笑)」

メル「さっさと、コクりなさいよ!小井戸勇気!」

小井戸の右足を、ギュッと踏むメルだったが、何故か痛みを感じないらしい。

メル「?!」

 

相田よし子

「あ、あの、ちょっと、困りますっ!」

 

先輩アナウンサー

「君、ほんとは、僕が目かけなければ、採用されなかったんだよ。」

 

よし子に、疑念がはいり、その場で動きが止まる。

    男は、ベリーロールのように、テーブルの上を滑り、よし子の両手を、手錠が掛かったような掴みかたをした。

 

先輩アナウンサー「俺の女になれよ。俺が潰されない限り、出世ができるぞ。」

よし子の瞳から、悔し涙が流れる。

よし子「・・・・」

 

男は、よし子の唇を奪ってしまった。

 

小井戸「あー、やっちまったなぁ~(笑)」

降り積もる雪の上で、時短打を踏むメル。

 

メル「ふざけんなっ!ばかちん!」

メルの両手の平が、柔らかくひかりのかけらとなり、空に昇ってゆく。

それはまるで、逆さ雪のように。

 

メル「う、うそだ・・・」

小井戸の両足も、静かに爪先から、消滅しだした。

小井戸「終った・・・。これでいい。これで。」

別荘の雨樋に、背を向け、天を仰ぐ小井戸。

メル「ちょっとまってぇ!」

その小井戸に走りよる、メル。

そして、その背後に、クラッシックカーが近づき、軽くクラクションを鳴らす。f:id:toorimagari20120708:20181227230355j:image

トナカイ・オオタケ「おー、小娘ぇ~(笑)」

トナカイ・ミムラ「あれ、手のひら、どうした?」

 

あっ!、て、気が付き、背後に手を回すメル。

 

すべてを知っていたのか、サンタクロースが私語く。

 

サンタクロース「さて、時間の旅に行きましょうか?(笑)」

ミムラとオオタケは、真っ白な、ずたぶくろを消滅仕掛けている、小井戸に被せ、押さえ付けている。

 

オオタケ「早くいっちめ~よ、間に合わねぇぞ、このままだと。」

 

ミムラ「おまえが帰ってくるまで、こいつ、抑えとっから!」

 

メル「わかった!」

 

サンタクロースが運転する、クラッシックカーは、別荘から離れ、山を離れた。

 

メル「おじさん、どこ行くの?」

サンタクロース「彼の、死の直前に行くよ。」

 

一年前の首都高。

軽井沢に向かう、小井戸の車が、煽り運転に巻き込まれ、その後の追突事故から、炎に包まれている。

 

煽り運転の加害者

「おっ・・・おめぇが、わりいんだからなっ!」

 

腰を抜かしながらも、向かいに来た車に飛び乗る男。

ワッと、炎が、クリスマスイブの夜空に立ち上る。

 

小井戸 勇気

「あっちぃ・・・腹から、血がドバドバ出てる・・・

 

焼き魚の焼かれる気持ちって、・・・・こんな感じかなぁ(笑)・・・」

 

遠くで、小井戸を呼ぶ声がする。

 

小井戸「だ、だれっ・・・」

メル「いっ、いま、助け出すからっ!」

 

車の後方に積んだ、もみの木に火が移る。

 

小井戸「む、無理だ。腹は・・・・血が出て、ひっ・・・左足は、挟まってる。」

 

煙に咳き込みながら、運転席のドアを引っ張ったり、後方席のドアを引っ張ったりして、小井戸を励ますメル。

 

メル「大丈夫!、私が、何とかするからっ!」

 

段々、意識が遠退く小井戸。

小井戸「もう、いい。・・・・ほっといてくれ。」

 

体が再び消滅を始めるメル

メル「だ、だめっ!・・・・。まだ消えないで....貴方が、・・・いま、あなたが死ねば、・・・・私は、生まれないのっ!・・・・・だから、・・・だからっ。生きろぉーっ!、パパぁ~っ!(泣)」

 

メルの襟首を掴んで、燃え盛る車から、引き離す、大柄の男。

 

角がない青鬼(imageくっきーfrom野性爆弾)

「おまえ、さがれ。」

メル「え。・・・・」

 

青鬼「この山、おれの庭。」

 

運転席のドアを、引き剥がす青鬼。

 

青鬼「おまえ、死ぬに至らず。」

 

力ずくで、燃え盛る車から、血まみれの、小井戸をひきずり出す青鬼。

 

意識を取り戻しかけた、小井戸の視線は、青鬼の足元で、フェードアウトするように途切れた。

 

そこから、半年を過ぎた、今年のクリスマス。軽井沢の別荘に華やかな、飾りと、色とりどりな、食事が並んでいる。

 

小井戸(相田)よし子

「また、ここで、クリスマスを家族と過ごせる何てねぇ~(笑)」

 

小井戸 勇気

「俺もまさか、親父から、別荘を譲ってくれるとは、思わなかったさぁ。」

 

写真立てを、丁寧に磨く少女。

 

小井戸

「おい、恵留。あんまり力入れると、割れちまうぞ(笑)」

 

恵留「じーちゃんは、私の恩人だから?」

 

小井戸「は?」

写真立てを見詰めると、サンタクロースと、あの冷徹だった、父(小日向文世二役)と重なって見えた。

 

小井戸「まさか、・・・・」

 

背広姿の父が、小井戸に頬笑む。

 

(終わり)