原案、イメージソング:
「smile again」山口由子より。
(病室内)昏睡状態の、青年の左手を、自らの両手を包む女性。
大島幸子(image松井玲奈)「涼太ぁ・・・私のせいだよね・・・ごめんね・・・」
(幼少期の回想)
大島幸子:
涼太と私は、10年以上の幼なじみで、私はよく、涼太の面倒を見ていた。
(囲まれてからかわれる、幼少期の涼太。)
いじめっ子①
「やーい、涼太のう○こったれぇ~(笑)」
いじめっ子②
「とーちゃん居ない奴は、ケツのしまりが悪いんかー?(笑)」
(練習の帰りか、
剣道の胴着姿の少女が、虐められている涼太を助けるため、
竹刀を振り上げ、絶叫しながらよってきた!)
大島幸子(幼少期)「てめぇらあっ!!」
いじめっ子①
「でぇったっ❗女男❗」
大島幸子
「俺の涼太を、いじめんなっつったろぉ❗」
いじめっ子②
「何だコイツ、こないだ、女子のスカートをめくってたぞぉ❗(笑)」
いじめっ子③
「うっそ、マジきもーい(笑)」
(いじめっ子がチリジリになり、何とか退散させた幸子。
幸子に抱きつく涼太。)
涼太「ねぇちゃーん( ω-、)」
(幼少の回想を終え、ため息をつく幸子)
大島幸子:体が弱かった涼太が、エリート街道へ登り出したって、知ったのは、数年前・・・・
(幸子が勤めるファミレス。
レジに立つ後輩が、
背後の流し場で、
洗い物をする幸子に語りかける。)
ファミレスの後輩(image松田るか)「せんぱーい、今度の三連休ぅ、どっか行くんですかぁ~(笑)」
大島幸子(image松井玲奈)「ん~、アニフェス・・・かなぁ・・・(  ̄- ̄))」
(なんと無く脱け殻の幸子に、ため息をつく後輩。)
後輩「せんぱーい、歳を考えましょーよー、アニフェスなんて歳じゃないでしょー?(笑)」
(ボソッと呟く幸子。)
幸子「もう、恋愛はめんどくさい・・・・」
(ちょっと挑発的な後輩。)
後輩「はぁ?、じゃあ、将来の夢は?・・・」
(表向きは沈黙を装う幸子。)
幸子「・・・・・」
小説家になること。・・・・でも、もう・・・
(何処かのテーブルのチャイムが鳴る。)
幸子「ほらほら、窓際のバーコードさんが、呼んでるわよ。」
後輩「バーコード?!」
(目を細めて、
国道側の窓際の席を見ると、
スーパーで売れ残った、キャベツような頭髪の男性が、
先程から顔を赤らめ、鼻息荒く、何かをぶつくさ言ってる。)
後輩「えーっ、バイトの私が行くんですかぁ~」
幸子「バイトもパートもカンケー無いのっ!」
(しぶしぶ、窓際のキャベツ男の対応をしている、後輩の様子を見ていると・・・)
若い男性「すみませーん、五人くらいなんですけど。」
(うつ向いたまま、いらっしゃいませを言わずに、レジの釣り銭を確認する幸子。)
幸子「(五人くらいってなんだよ。・・・て、えっ?)涼太っ?」
羽生涼太(image須賀健太)「あ、ねぇちゃん?!(笑)・・・」
幸子「涼太ぁ、久しぶりだよね~・・・高校生以来だよね~、へぇ~、馬子にも衣裳ならぬ、う○こったれにも、衣裳だよねぇ~(笑)」
涼太「ねっ、ねぇちゃん、場所わきまえなよっ!(笑;)・・・おまけに大声だしっ!・・・・」
(幼なじみに会えた喜びに、思わずたかが外れた幸子に、ドン引きの客たち。)
幸子「あ。・・・やっちゃった。(^_^;)」
涼太達を、少し広いテーブル席に案内をした幸子。
後輩
「せんぱーい、イケメンですね・・・・彼?・・・」
チラチラ涼太の方をみる、幸子。
幸子「涼太とは、単なる幼なじみだよ。」
後輩「へぇ~(笑)・・・だったら先輩、逆にアドレス渡しちゃえば?」
幸子「え?」
後輩「ここで再会したのも、何かの縁だし(笑)」
幸子「な、なにそのキモい笑いは・・・・」
後輩「いーやぁー、先輩も25年して、やあっと春が、きたんすねぇ~(笑)」
急に真顔になる幸子。
幸子「仕事しましょう。」
大島幸子:涼太と別れたのは、高校時代・・・女子高から、共学になって、六十周年を迎える頃だった。
(回想・高校時代)
昼休み、
眺めのいい空中庭園のような、
屋上のテラスで、
思い思いの昼食を取る、高校生たち。
幸子の高校の友人①
「( ,,-` 。´-)へーい、さっちゃん、おつかれちゃーん(笑)」
幸子(高校生)「あ、おつかれちゃーん(笑)」
幸子の高校時代の友人②「さちこー、知ってる?(笑)」
幸子「え、なになに?(笑)」
(何かを確認するように、顔を見合わす幸子の友人。)
友人②「昨日、物理の安村がぁ~、」
友人①②「自転車で、奥さんを後ろに乗せて、スッ転んだってぇ~(笑)」
幸子「なにそれ、ちょーウケるんですけどぉ~(笑)」
幸子:物理の安村(imageいつも明るい安村)は、涼太の担任の先生で、美人の奥さんをゲットしたそうな。
友人①「でね、その原因が、涼太くんからの連絡だったの。」
幸子「え・・・? 何だろう?」
友人①「あれ、なんもきいてないの?涼太くんから?」
幸子「だからぁ、なんなのぉ?」
友人②「涼太君、鎌倉市の学校へ、転校するんだって・・・」
幸子「えっ・・・・?」
食べかけのサンドイッチを置き去りにして、涼太の教室に走り出す、幸子。
幸子:うそ・・・うそだぁ‼・・・なんで?・・・なんでいきなり、転校すんのよぉ~‼
(後輩の高校生から、涼太が、駅に向かっている話を聞き、用務員の自転車を借りて、校舎を飛び出した。)
幸子:うそだ、うそだっ、うそだーっ!・・・・
あいつに貸しを作られたまま、バイバイなんて・・・出来ないよぉ!
(駅、涼太が一人でタクシーから降りて、改札に向かっている。・・・幸子が、涼太のうしろ姿を観て叫ぶ!)
幸子「ぅおいっ!涼太ぁ~ッ!」
涼太
「あ、ねぇちゃんっ!(笑)」
息を切らせながら、想いを発する幸子。
幸子「あんたさぁ、なんで(深めの咳を二回)・・・あたしに何も言わない・・・んだよっ!・・・うちらの仲は、そんなもんだったのかよぉっ!」
俯き、躊躇う涼太・・・
暫く、幸子の荒立ちが鎮まるまで、黙り混む。
幸子は、涼太の両かたを掴み前後に揺さぶる。
幸子「おい、涼太ぁっ!・・・なんとか言えよっ‼」
涼太は、幸子の熱い想いにも泣きそうになり、
空を見上げるが、
その空も泣き出しそうだ。
涼太
「ねぇちゃん・・・僕の母ちゃん、末期ガンなんだ。」
幸子「え?、涼太のお母さんが?・・・・
え、でも、
東京の方が医療施設が整ってるし、なんで・・・
何も、鎌倉まで行かなくても、
・・・それに私も(いっしょなら)看病してあげられるよっ。・・・
涼太。
東京に居なよ。」
涼太「鎌倉には、おじさんが居るから、暫く厄介になるつもりだよ。・・・もう、ねぇちゃんに迷惑かけたくない。」
幸子「涼太ぁっ!」
年下の涼太が、泣き出しそうな気持ちを押しきり、幸子を叱る。
涼太「ねぇちゃん、午後の授業・・・サボる気か?」
幸子「今はそんな話じゃ・・・・」
涼太「単位・・・足らないんでしょ?・・・卒業出来なくなったら、就職にも困るんじゃないの?・・・名古屋のおじさん、おばさんが心配するよ‼」
幸子「あんなの親じゃない・・・」
涼太「いい加減にしてくれ‼・・・帰ってくれ‼」
歳上の幸子が駄々をこねた。
幸子「帰らない・・・帰らないっ!・・・涼太に貸しを返すまで!」
幸子:涼太からの貸しって話は、私の初恋の話だ。
(つづく)