あかんねんて‼
#Re:Incanation
曇り空、
すこし雨が降る
アスファルトに
横たわる
さや姉・・・
関西天使・さや姉
「どこや・・・ここ・・・。」
姿なき界王(image大和田伸也)「ようこそ、転生への入り口、冥界へ。」
さや姉「冥界?・・・うち、死んだんか?」
姿なき界王
「・・・寿命つきし肉体から、離れた魂が流れ着く場所 。
・・・喩え、得体知れない存在でも、魂があればたどり着く。
そして君は、新たな身体(うつわ)を手にする。
生前の、功罪の数を照らし合わせながら・・・・」
拒絶の意思か?、首を横に降る さや姉。
さや姉「これって、死後裁判やないか!・・・うちは今、裁判やってる暇ないねんっ!・・・界王!」
姿なき界王
「・・・・・(深いため息)」
界王の姿を探すように、
ゆっくり回りながら叫ぶ、
さや姉。
さや姉「なぁ界王、きいてや!・・・うち、地上にやり残したことあんねん。」
姿なき界王
「・・・・もう、あなたの身体(からだ)は滅している。」
さや姉「うそや!・・・藤村のじいさんから、天使は滅不滅やと、聞いとん・・・。」
暫く沈黙した後、語り出す界王。
姿なき界王
「実は、あなたは、
以前、人間だったんです。」
さや姉
「んなのどーでも、ええねん。」
フとした瞬間に、頭痛と同時に記憶の画像が、フラッシュバックする。
薄暗いライブハウス
手元にスポットライトが当たると、
視界に、アコースティックギターが映る・・・・
頭痛を降りきるかのごとく首を横に降る天使
さや姉「うそや!」
また、記憶のフラッシュバック
。
日差しが明るい病室のなか、酸素マスクをつけている女性。
さや姉「(め、眼が開かへん・・・なんで?)」
生命維持装置がけたたましい、アラート(警報)を起こし、
医者や看護士達がなだれ込んで入ってきた。
さや姉「(なんや?・・・なんか騒がしな・・・・)」
医者や看護士達が慌てて、何やら横たわる女性に処置を施すが・・・・
さや姉は、また首を横に降り・・・・
さや姉「うそや!こんなん・・・信じられへん。」
姿なき界王
「過去は見ないんですか?・・・貴方の今になる因なんですけどね・・・・」
さや姉
「は?・・・
今さら過去なんか見て、
なんになんねん?・・・・
大事なのは今や❗・・・
今が未来につながっとんねん!
ジャストなうや‼」
さや姉の覇気に押される姿なき界王。
姿なき界王
「はははっ・・・・(こりゃまいったな?)」
土下座をする天使。
さや姉
「たのむ!うちを地上に帰してくれ‼・・・
こんなことは、
界王に無礼千万なのは、よー知っとるっ!・・・
な、如何なる処罰は、
帰ったら受けるから・・・・
なあっ!」
姿なき界王は静かに天使に答えた。
姿なき界王
「では貴女に、宿題をあげましょうか?」
さや姉
「え?・・・地上に行けんの?(笑)( ̄▽ ̄)✨」
姿なき界王
「ただ、・・・人間に告白しない。・・・それだけです。」
さや姉「なんや?そんなんなら、ちょろいもんや(笑)( ̄▽ ̄) 」
姿なき界王
「なら、いいんですがね・・・
未練は、
執着を産み、
憎しみと悲しみを、
増幅させる事を、忘れてはいけませんよ。」
さや姉
「うちは天使やから(笑)( ̄▽ ̄) 」
天使の背後に眩しい光が差し込む。
その先には、何かが置かれている。
さや姉「・・・刀?」
姿なき界王
「銘刀と言われた、日本刀、虎鉄を貸しましょう。」
さや姉「え?、こんなんエエの?(笑)」
姿なき界王
「ただ、この虎鉄は・・・呪われた刀で・・・・」
刀を掴む天使の目の前に、
霧が晴れ、
地上につづく道が広がる。
さや姉「ほな、行ってくるわ‼(笑)( ̄▽ ̄)」
姿なき界王
「大丈夫かなぁ?・・・」
(つづく)