空想携帯小説家作品集ht2355(20120708)'s blog

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⑧(終)ここにも、天使は居る。#image原案:NMB48

最終回
 好きやねん

#地上

白昼、次々と道端に転がる男達。

それを見ていた、ある女性が、

突然昏睡になり、
寝込んだ、連れの男性を、
必死に揺さぶり起こす。

女性
「ねぇ、起きてよっ!・・・・どうして、いきなりっ!」

幻魔・ケセランパサラン(image・ブルゾンちえみ)「あーっははははは・・・クズな男達は、みーんな、見果てぬ夢に溺れていけばいい。(笑)」

何かを振り撒きながら、街中を練り歩く幻魔。

そして、夢遊病のように、フラフラと幻魔の後を歩く男達。

それはまるで、ハーメルン魔笛のよう・・・。

その後を追う、もう一人の関西天使。

関西天使 ふうちゃん(image矢倉風子fromNMB48)
「なんかアイツ早い・・・、歩いてるはずやのに、なんかスポーツカー並みや・・・」

幻魔ケセランパサランは、しつこく追いかけてくる天使を振り払うために、背高のブリキ男達に顎で合図を送る。

ふうちゃん
「な、なにっ?」

ふぅちゃんの前後に、立ち塞がる男達。

錻男①
ケセランパサラン様の邪魔する奴は・・・」

両脇に刺した長剣を抜く錻男①

錻男②が背後で、2丁拳銃を構える。

錻男②
「絶対に、倒す!」

関西天使が居直り、
視界を広く取るため、

錻男たちが見えるように、
何気に横を向き、

腕を組ながら、仁王立ちする。

関西天使・ふぅちゃん
「へーっ、兄ちゃんたち、ガチでウチと、ケンカするん?(笑)( ̄▽ ̄) 」

錻男①
「当たり前だ‼」

挟み込むように、
天使に向かって、
長剣をスライドさせるが、

ふぅちゃんは、
タイミングよく、
長剣の先端に飛び乗った。

ふぅちゃん
「あかんやん?(笑)( ̄▽ ̄)」

ふぅちゃんが、錻男②に背中を向けた瞬間、発砲音が響く

一発目は、
背後から右ほほを掠め、

二発目は、左脇の下を間一髪で掠めた。

ふぅちゃん
「うちな、もともと人間やってん・・・ダンス好きで、音感は半端ないねん(笑)( ̄▽ ̄)」

錻男の長剣が、再び左右に拡げるようにスライドする瞬間、トランポリンのように飛び上がるふぅちゃん。

関西天使・ふぅちゃん
「よっ!(笑)( ̄▽ ̄) 」

着地し向かい合う、天使と錻男達。

錻男①「アタック!」

突然、掛け声を1つ上げ、
長剣を持った左右の腕を、
ブンブン交差させたりして振り回しながら、

ふぅちゃんに迫ったり離れたりしてる。

ふぅちゃんは、ジタンダを踏む。

ふぅちゃん
「もおっ!なんやねんなぁっ!来んならコイや!」

錻男②「なら、そうするよ。」

突然放たれた、鈍い銃声

ふぅちゃんの眉間の寸でで、誰かが、
ふぅちゃんの目の前に立ち、左手で、
瞬時に、銀の弾丸を握り潰した。

ふぅちゃん
「さ、さや姉❗」

関西天使・さや姉
「またせたなぁ?ふぅちゃん(笑)( ̄▽ ̄) 」

さや姉の姿(けはい)を感じ、振り向く、

幻魔・ケセランパサラン

ケセランパサラン
「あら、消滅しなかったのね?(笑)」

ケセランパサランが、
瞬間移動した時には既に、

さや姉と ふうちゃんが、
刑事ドラマのように、
錻男達を取り押さえていた。

さや姉「どや?(笑)( ̄▽ ̄) 」

ふぅちゃん
「うちらはな、
ガチでやらへんでも、

さや姉が居れば、
お茶の子さいさいやねん!(笑) 」

ちょっと寂しげな表情を浮かべた、さや姉。

ふぅちゃん「さや姉?・・・どないしたん⁉」

さや姉「ん?・・・いや、ナンでもないねん。」

古びたフランス人形の廻りに、複数の薔薇のつたが蠢く、ケセランパサラン

幻魔・ケセランパサラン
「ねぇ、あなた達が抑えてるのって、誰?(笑)」

ふぅちゃん
「そんなん決まってる・・・ん?」

さや姉
「くるみ割り・・・💂人形⁉」

天使達が抑えていたのは、
バッキンガム宮殿を護る、
衛兵の形をした、

くるみ割り人形だった。

ケセランパサラン
「キャリアウーマン、らしくはないわね?(笑)」

ケセランパサランは、複数の薔薇のつたを伸ばし、ふぅちゃんを捕らえて、高く掲げた。

さや姉「ちょ、・・・なにすんや!」

ケセランパサラン
「ねぇ、勝負しない?」

捕らえたふぅちゃんの背後に、もう一人、拘束されたまま、誰かが高く掲げられた。

さや姉「うわ、おっさんっ!」

死にぞこなった男は、生命力を吸われ、かなり窶れている。

さや姉「勝負ってなんや!」

焦らしトークの幻魔。

ケセランパサラン
「キャリアウーマン?・・・貴女も、天使の端くれなら、ちゃんと答えられるわよね?」

さや姉「答え次第で、なにする気や?!」

さや姉の、瞬時の怒りに反応した妖刀・虎鉄が、ゆっくりと鈍った光を放ち出す。

さや姉は、刀から発する妖気に囚われかけている。

さや姉「き、(斬りたいっ・・・コイツから、ごっつう、血を出してみたい・・・)・・・・」

さや姉の後で囁く、姿なき界王

姿なき界王
「怒るは、地獄ですよ。」

妖気に苦しむ さや姉

さや姉「だったら、こんな刀持たすなやっ!」

幻魔には、界王の姿は見えない。

ケセランパサラン
「あら、情緒不安定ね?(笑)」

叫ぶ、ふぅちゃん。

ふぅちゃん
「もう、このおっさん死んどるから、うちを助けてぇ~!」

昏睡状態なのか?、死にかけた男は、うつ向いたままだ。

さや姉
「どするぅ?・・・。どないしょ・・・(めっちゃイライラする。なんでや?)」

ケセランパサラン
「さぁ、答えて頂戴!(笑)・・・天使がぁ、護りたいのは・・・仲間の命か?・・・」

ふぅちゃん
「さや姉❗」

ケセランパサラン
「死に行く、人間達か?・・・・」

妖刀・虎鉄に意識を奪われているのか、天使の形相が、次第に険しくなる・・・・。

ケセランパサラン
「さぁ、答えよ!」

虎鉄の刃が、ケセランパサラン本体の、フランス人形の胸部に突き刺さる!

ケセランパサラン
「なっ!、なにぃ?・・・・」

さや姉の脳裏に、誰かの思い出が飛び込む。

#回想・アンティークショップ

今より美しかった、
フランス人形を中心に、
両脇には近衛兵の姿をした、くるみ割り人形が、
まるでフランス人形を護るように、
ショーケースに佇んでいる。


フランス人形(ケセランパサランの本体)「私は、愛されたかった。・・・・ずっと、ずっと、誰かの側に居たかった。・・・・」

#第一次世界大戦

飛び交う戦闘機、爆撃で焼き付くされる町並み。

店主だろうか?亡くなった老人が庇うように、フランス人形と近衛兵の人形が護られていた。

フランス人形
「ただ、それだけだった。」

時は流れ、数年前、町内会のバザーに出品される人形達。

フランス人形
「私のからだが、古ぼけて行くたびに、拾われても、金と引き換えに棄てられる始末・・・」

さや姉「なんや・・・なんか、おっさんと似てるやん・・・・」

フランス人形
「そう、あの男も、私を捨てたの・・・・」

さや姉「え?」

#(回想)数年後、バザー会場

キャバ嬢と死にかけた男は、日中からへべれけでバザーに現れた。

さや姉「何しとんねん!やっすい女(スケ)つれ回しとって!」

だらだらっと、死にかけた男に甘えるキャバ嬢。

キャバ嬢
「ねぇーえー、フランス人形ちょーだーい?(笑)( ̄▽ ̄)」

死にかけた男
「え?、なにすんの?」

キャバ嬢
「おにぃちゃんが遊びに来ないからぁ~、となりでぇ、ねんねすんのぉ~キャハハ。」

死にかけた男は、何処かで拾った財布から、札束を取り出して封を切り、フランス人形を買った。

さや姉「あんのボケぇ!」

数日後、死にかけた男は、キャバ嬢にフラれた腹いせに、同居してた部屋に、残されたフランス人形を、リサイクルショップへ売ってしまった。

雨が降るなか、寂しそうに野外に置き去りにされる、フランス人形。

フランス人形
「その時私は誓ったの・・・この国の男を食い潰すっ・・・・てねっ?(笑)( ̄▽ ̄)」

闇夜の曇り空の隙間から、

一筋の光が、
人形達に降り注ぐと、

フランス人形達は、人間に成った。

#回想 が終わり、
ケセランパサランの体での一部である、

薔薇のつた達が、
一斉に枯れ始め、

幻魔の体から、
ひかりの欠片達が、
上空に立ち上ぼり出した。

さや姉
「あんたも、寂しかったんやね・・・・?」

フランス人形
「こんど生まれ変わるなら・・・・あなたのような、天使に、なりたい・・・・。」

一瞬、ストロボを焚いたような光が弾けると、フランス人形は、バラバラに成った。

ふぅちゃん
「なんか・・・、なんかしれへんけど・・・切ない・・・・。」

深いため息を、夜空を見上げながら、1つつくさや姉。

さや姉「なぁ、ふぅちゃん?」

ふぅちゃん「なにぃ?改まって(*´ω`*)・・・」

さや姉「うちな、冥界に堕ちてん・・・・」

目を覚ます、死にかけた男。

死にかけた男。(image斎藤工)「あ。・・・?」

困った表情で仁王立ちする、さや姉

さや姉「あ?・・・や、あらへんやろっ?(笑)( ̄▽ ̄)・・・てゆうかあんた、もいっぺん死んだ方がええんちゃう?・・・ごりっごりに痩せとんやから( ̄▽ ̄)このまま。ジャストなうやで(笑)」

ふぅちゃん「さ、さや姉?」

死にかけた男に詰め寄るさや姉

さや姉「しっかし、ホンマあんたな、思い遣り・・・無さすぎや。」

死にかけた男
「え、あの・・・なんかすみません。」

さや姉「あんな?、あんたを苦しめとんのは、ホンマはあんたや。・・・・寂しがりで、立ち回りが下手なのは、よう解ったけど・・・・」

体の消滅が始まる、さや姉。

ふぅちゃん「さや姉っ?」

さや姉「え、?・・・なんでや?、まだ思いを告げてへんのに?」

ふぅちゃん「さや姉、冥界に堕ちたって・・・うそやろ?」

死にかけた男
「あの・・・また、話が遠いんですけど?」

死にかけた男の言葉に、いい加減頭に来た、関西天使・ふぅちゃん。

ふぅちゃん
「はぁ?(怒)・・・

あんた、
何ゆうてんや?・・・・

あんたの為に、
天上界の務めをなげうって、

冥界に堕ちたために、
天使の座を捨てざるを得なかったんやで‼

ほんま解っとんのかっ?!」

今にも食い付きそうな、ふぅちゃんを止めるさや姉。

さや姉
「あかんっ、ふぅちゃん。ルールはルールや。」

さや姉の下半身は、既に消滅している

ふぅちゃん
「さや姉!」

さや姉
「これはうちの運命や。・・・でもうちは、後悔してへん。おっさんには、やきもき?させられたけどな?・・・これも所願満足や(笑)」

死にかけた男は、消滅しかけた、さや姉に詰め寄る

死にかけた男
「ちょっとまってくれ‼、私はまだ、まだ貴女に、聞いてもらいたいことがあるんだ‼・・・・頼む、行かないでくれ‼」

さや姉がふぅちゃんに、何かを伝えた。

ふぅちゃん
「うちには無理や!・・・さや姉から、なんも引き継ぎしてへんのにっ!」

・・・・・・・

#回想・死にかけた男

あれは・・・・
夢だったのか?

神も仏も信じない、
私の目の前に、

舞い降りたセゾン・・・・

彼女は、ちっぽけな私に、何を伝えたかったのだろうか?

#回想が明け・目覚ましの音

死にかけた男が、目覚ましの音を止めると、間髪なしに、

関西弁の女性が、フライパンとお玉で、ガンガン叩きながら、男を起こす。

女性
「おいっ!樫見屋新太郎‼、遅刻すんでっ!」

死にかけた男(樫見屋新太郎・image斎藤工
「え?、なんで君が・・・ここにいるの?」

満面の笑みを浮かべるさや姉。


(おわり)

⑦ここにも、天使は居る。#image原案:NMB48

あかんねんて‼


#Re:Incanation

曇り空、

すこし雨が降る
アスファルト

横たわる
さや姉・・・

関西天使・さや姉
「どこや・・・ここ・・・。」

姿なき界王(image大和田伸也)「ようこそ、転生への入り口、冥界へ。」

さや姉「冥界?・・・うち、死んだんか?」

姿なき界王
「・・・寿命つきし肉体から、離れた魂が流れ着く場所 。

・・・喩え、得体知れない存在でも、魂があればたどり着く。

そして君は、新たな身体(うつわ)を手にする。

生前の、功罪の数を照らし合わせながら・・・・」

拒絶の意思か?、首を横に降る さや姉。

さや姉「これって、死後裁判やないか!・・・うちは今、裁判やってる暇ないねんっ!・・・界王!」

姿なき界王
「・・・・・(深いため息)」

界王の姿を探すように、

ゆっくり回りながら叫ぶ、

さや姉。

さや姉「なぁ界王、きいてや!・・・うち、地上にやり残したことあんねん。」

姿なき界王
「・・・・もう、あなたの身体(からだ)は滅している。」

さや姉「うそや!・・・藤村のじいさんから、天使は滅不滅やと、聞いとん・・・。」

暫く沈黙した後、語り出す界王。

姿なき界王
「実は、あなたは、
以前、人間だったんです。」

さや姉
「んなのどーでも、ええねん。」

フとした瞬間に、頭痛と同時に記憶の画像が、フラッシュバックする。

薄暗いライブハウス

手元にスポットライトが当たると、

視界に、アコースティックギターが映る・・・・

頭痛を降りきるかのごとく首を横に降る天使

さや姉「うそや!」

また、記憶のフラッシュバック

日差しが明るい病室のなか、酸素マスクをつけている女性。

さや姉「(め、眼が開かへん・・・なんで?)」

生命維持装置がけたたましい、アラート(警報)を起こし、

医者や看護士達がなだれ込んで入ってきた。

さや姉「(なんや?・・・なんか騒がしな・・・・)」

医者や看護士達が慌てて、何やら横たわる女性に処置を施すが・・・・

さや姉は、また首を横に降り・・・・

さや姉「うそや!こんなん・・・信じられへん。」

姿なき界王
「過去は見ないんですか?・・・貴方の今になる因なんですけどね・・・・」

さや姉
「は?・・・
今さら過去なんか見て、
なんになんねん?・・・・

大事なのは今や❗・・・

今が未来につながっとんねん!

ジャストなうや‼」

さや姉の覇気に押される姿なき界王。

姿なき界王
「はははっ・・・・(こりゃまいったな?)」

土下座をする天使。

さや姉
「たのむ!うちを地上に帰してくれ‼・・・

こんなことは、
界王に無礼千万なのは、よー知っとるっ!・・・

な、如何なる処罰は、
帰ったら受けるから・・・・

なあっ!」

姿なき界王は静かに天使に答えた。

姿なき界王
「では貴女に、宿題をあげましょうか?」

さや姉
「え?・・・地上に行けんの?(笑)( ̄▽ ̄)✨」

姿なき界王
「ただ、・・・人間に告白しない。・・・それだけです。」

さや姉「なんや?そんなんなら、ちょろいもんや(笑)( ̄▽ ̄) 」

姿なき界王
「なら、いいんですがね・・・

未練は、
執着を産み、

憎しみと悲しみを、
増幅させる事を、忘れてはいけませんよ。」

さや姉
「うちは天使やから(笑)( ̄▽ ̄) 」

天使の背後に眩しい光が差し込む。

その先には、何かが置かれている。

さや姉「・・・刀?」

姿なき界王
「銘刀と言われた、日本刀、虎鉄を貸しましょう。」

さや姉「え?、こんなんエエの?(笑)」

姿なき界王
「ただ、この虎鉄は・・・呪われた刀で・・・・」

刀を掴む天使の目の前に、

霧が晴れ、
地上につづく道が広がる。

さや姉「ほな、行ってくるわ‼(笑)( ̄▽ ̄)」

姿なき界王
「大丈夫かなぁ?・・・」


(つづく)

⑥ここにも、天使は居る。#image原案:NMB48

第6話

なんでや?

死にかけた男のアパートに戻っていた天使。

子供のように眠る、死にかけた男。

関西天使・さや姉
「・・・(ほんま、最近の人間(おとこ)は、弱すぎや・・・なんでや?)」

天使のケータイが、呼び出す。

さや姉「あ、ふぅちゃん!🎵」

関西天使・ふぅちゃん(imagefromNMB48)
「さや姉ぇ、いつ天上界もどんのぉ?」

さや姉「あ、ごめんっ。地上(した)は地上(した)で、なんかゴタついとって・・・・」

ため息をつきながらも、話をつづける、ふぅちゃん。

ふぅちゃん
「なんや・・・あー?、ケセランパサランちゅー、ばけもんがぁ?、地上の男(人間)をダメにしてんねんてぇ・・・・」

さや姉「なにもんや、そいつ・・・・・」

ふぅちゃん
「天上界百字録や、他の文献探してんねんけど、どっこもないねん。」

さや姉
「人間でも、悪魔でもないねんな?・・・・」

ふうちゃん
「そうやと、思ってんねんけど・・・・たぶんさっき、さや姉が会った人・・・人間とちゃうんやない?」

さや姉「うちも、なんや、そう思ってん・・・みたいな?」

ため息をつく、ふうちゃん

ふうちゃん「さや姉?、今の人間界は、なるべくなら、後回しにした方が、ええんとちゃう?。」

さや姉「できるなら、そーしたいねん。・・・・ほな、一旦きるで?」

ふうちゃん
『さや姉?・・・』

通話を切る目の前に、女性編集長と、身長の高い男ふたりが現れた。

女性編集長・朝宮霧子(imageブルゾンちえみ)
「あぁら、奇遇ね?」

さや姉「なにがや?」

朝宮霧子「死の香りにつられてたどり着いた先に・・・天使がいたなんて(笑)」

さや姉「なんや、うちに喧嘩売っとんのか?」

朝宮霧子「キャリアウーマン、そんなことしないの(笑)・・・・」

さや姉「なんやさっきっから、鼻に捏ねんけど・・・オタク。」

朝宮霧子「あーっ、幻魔獣の命を受けて、よかったっ!(笑)」

さや姉「なんや、自分からゲロるヤツも、プレミヤもんやで(笑)」

朝宮霧子は、人間の姿から、複数の薔薇の蔦の奥に、
美しいフランス人形が見える、異形の姿に変わった。

さや姉「あんたが・・・ケセランパサランか?」

幻魔・ケセランパサラン(imageブルゾンちえみ)「さぁ、この国のバカな男達の命を吸い尽くすわよ~(笑)」

さや姉「いてこましたろか?」

さや姉を立ち塞がる、身長の高い男二人。

さや姉「・・・」

背の高い男二人は、人間の姿から脱皮すると、ブリキ人形の姿に変わった。

withB1型
ケセランパサラン様は・・・」

瞬時に背後に回る、もう一人の男

withB2型
「我々が、護る‼」

短刀を、さや姉の腰に真直に突き刺す。

さや姉の傷から、複数の光の欠片たちが立ち上る。

さや姉「な、なんでや・・・・」

膝から崩れ落ちるさや姉。

その目の前で、連れ去られる、死にかけた男。

さや姉「お、・・・さんっ・・・」

(つづく)

⑤ここにも、天使は居る。#image原案:NMB48

第5話

だあほっ‼


女性編集長「ごめんなさいね?、ここ・・・お見合い紹介所じゃないの。」


思わず、恥ずかしそうにうつ向くさや姉。


関西天使・さや姉(image山本彩fromNMB48)
「そ、そやね(笑)・・・(あかん。、うちとしたことが、思わず口滑らせて、"あたし天使ですぅ"・・・て、言いそうやった。)」


さっきの、天使とのやり取りが、無かったかように、本来の話をする男。

死にかけた男
「あ、それより、私の作品を見て頂きたくて(笑)」

さや姉「そ、それよりぃ?(なんか薄情や、このおっさん)・・・」(小声)

死にかけた男は、ガラホを編集長に見せたが・・・

突然、気色悪い笑い声をあげ、男を罵倒し始めた。

女性編集長
「うぅわ、気持ち悪い。(笑)・・・

あなたいきなり、皮脂まみれのケータイを、
独身女性に渡すなんて、

これって、作品を読む前の話でしょ?・・・常識。

・・・おまけに、あなた、年齢は?

今時、原稿用紙に作品を落とせない小説家なんて、

小説家ですって、
名乗るだけ恥ずかしくないの?(笑)」

ケチョンケチョンに罵倒され、完全に戦意を無くした男。


死にかけた男
「あ、はい。・・・・すみませんでした。」

罵倒しまくる女に我慢できず、その場を立ち去ろうとする男。

さや姉「ちょっ、ちょっとまちぃやっ‼おっさん‼」

死にかけた男「あ、いいんですっ、せ、世間知らずな私が悪いんですからっ!」

さや姉「待てって!逃げんなや!おっさん‼」

天使の制止を振りきり、転がるように、妖しい雑誌編集の会社を後にする男

さや姉「あかん、あいつまたやる‼」

男の後を追う前に、
罵倒した女に、静かにもの申す、天使(さや姉)


さや姉
「あんたなぁ、ちゃんとした大人やろ?・・・もうちょい、言い方・・・考えろや。・・・人間やったら・・・なっ?」

さや姉を威嚇するため、
ガタッと勢いよく立ち上がる、背が高い男二人。

さや姉は、両手を腰に回し、上半身を四十五度ぐらいに、前に倒したまま、上目で男達を睨み付ける。

さや姉「なんや?やんのか?・・・ばーけーもんっ‼(笑#) 」

不適な笑いで、さや姉を挑発する女性編集長。

女性編集長・朝宮霧子(imageブルゾンちえみ)
「こんな事してる間に、彼・・・・ふふっ。(笑) 」

舌打ちして、立ち去ろうとした、さや姉に一言を仄めかす。

朝宮霧子「貴女・・・、ケセランパサランって、知ってる?」

関西天使・さや姉
「はぁ?・・・なんやケセランパサランって?(笑)」

朝宮霧子「やっぱり、このままじゃ、済まさないわ。(笑)・・・」

さや姉「好きにさらせ(笑)」

背中を向け、死にかけた男を探しに行こうとした瞬間、攻撃しようとした、背の高い男たちを止めた朝宮霧子。


朝宮霧子「あの子。・・・天使ね?(笑)」

ビルの屋上を、つぎつぎ飛び移り、死にかけた男を捜す天使。

さや姉「どこや?・・・おっさん?・・・・どこ行ったんや・・・・・」

赤信号になった、
スクランブル交差点に飛び出す、
死にかけた男を、

間一髪で引き戻して、
勢いで仰向けに倒れた上に股がり、

死にかけた男に、往復ビンタをする さや姉。

さや姉「だあほっ‼・・・だあほ!・・・死ぬなら、人の見えんとこで死ね‼・・・誰にも気付かれんとこで死ねぇっ‼(TДT) 」

(つづく)

④ここにも、天使は居る。#image原案:NMB48

第4話 難儀やなぁ


※東京・神田・古本屋街


天使と死にかけた男が、
平日の昼間に、
出版社を散策している。


さや姉
「なぁ、ほんまこっちでエエんか?」

死にかけた男
「あ、はい。」

さや姉
「せやかて、出版社ゆうても、この不景気で、どっこも開けっ広げで、作品を募集せぇへんとちゃう?・・・ある意味博打やで?あっちも。」

死にかけた男「・・・・・」

さや姉「また黙りかいっ❗」

死にかけた男「あれっすね。」

男が指差した先に、
築70年近い雑居ビルの二階に、怪しげな出版社が見える。

さや姉
「は?・・・
ここ、やばいんとちゃう?・・・

きぃつけへんと、

ぼられんで?(笑)」

今にも床が抜けそうな階段を昇ったら、

目の前に、木造の引き戸が見えた。

死にかけた男は、軽く深呼吸をする。

さや姉
「なぁ、おっさん?。

基本、
天使(うちら)が、
人間のやることに、

口出ししたらあかんねんけど・・・・

なんかおっさん、
ボッチにしとったら、

何ヘマするか解らんな。」

死にかけた男
「こんどこそっ、大丈夫です。」

さや姉
「ほんまか?(笑)・・・

ところで、

なんでそんなん文字書きに拘るん?」

死にかけた男
「私は中卒で、趣味も、取り柄も、何にも無いんですよ。」

さや姉
「うそやろ?(笑)・・・50年近く生きとったら、なんかエエことあったんちゃう?」

死にかけた男「実は、恋愛も中途半端で・・・・」

突然木製の引き戸が開く

出版社編集長(imageブルゾンちえみ)
「あら、なにか?」

さや姉は、
人間とは異なる、
異様な妖気を、
一瞬で感じとった。

さや姉
「(なんや、コイツ?・・・妙に重たい視線やないか?)・・・」

テンパる死にかけた男。

死にかけた男
「あっ、あっ、あっ・・・・」

吹き出す編集長。

出版社編集長「ふふっ。何かようでしたら、どうぞ・・・とっておきの、アールグレイを入れましょう。(笑)」

怪しむ目線のさや姉。

編集長「そちらの、関西弁の彼女さんも・・・、よかったらどうぞ(笑)」

さや姉
「あ、はい。(コイツ、うちの姿、ガチで見えとる。・・・難儀やなぁ。)」

古びた部屋に案内される、死にかけた男と天使。

編集長「ごめんなさいね?・・・昔は職員が、20名ぐらい居たの・・・」

さや姉「カビクサッ‼・・・(・・・ぐらいって、どうゆう意味や?・・・)」


身長の高い男二人が、
紅茶とモンブランを二人分持ってきた。

さや姉「あ、どーも。(コイツら・・・人間や無いかも知れん。)」

猜疑心で3人をみる、さや姉。

死にかけた男
「どーしちゃったんですか?、さっきっから、なんか・・・顎がしゃくれてますけど(笑)・・・」

さや姉「うちは般若かっ?!」

死にかけた男「いやいやそれほど、高価なものでは(笑)」

さや姉「うぉいっ!(笑)」

死にかけた男と、天使のやり取りに微笑む編集長。

編集長「ふたりは、恋人かしら?(笑)」

さや姉「はぁっ?何でや!・・・・なんで、こんなんおっさんの彼女やなんて・・・、パトロンでもイヤや❗」


編集長「ふふっ・・・おかしな二人ね?(笑)・・・・じゃあ、出逢った切っ掛けは、なに?」


死にかけた男「私が、すべてに失望して、電車に飛び込もうとした所を、彼女に助けて貰ったんです。」


遠巻きで、さや姉を警戒する背の高い男たち。


編集長「じゃあ、あなたたちは、お互いの名前を聞かないで居たの?(笑)」

さや姉「そうゆえば?」

死にかけた男「してませんね?」

(つづく)