読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

空想携帯小説家(20120708)'s blog

空想携帯小説家(山本 繁一)の作品を公開しています。

もうひとつの天使のケータイ(終)

最終回『 希望 』

天使ノキセアは、手渡されたメモを広げた。・・・

天使ノキセア
「これは、解除パスワード?(・・;)・・・まさか。 」

ノキセアは、
ケルトンの、
ティアドロップ型のケータイを開き、

液晶部分をタップすると、
テンキーのようなキーボードか現れた。

「security off・・・」

ノキセア
「先輩、先輩の思い ・・・無駄にしません。」

英語の綴り字と、印真言文字を掛け合わせたような文字で液晶に綴らせて行く・・・・

「open world・・・」

天上界、地獄界など様々な世界に、真っ黒く高さが2メートルのモノリス(石板)が、複数現れた。

ノキセア「これで、人間の心に、希望の光を差し込める。」

ノキセアはケータイを、
返事の無い電話ボックスに置いて、
暫く人間達の動向を眺める。

数分後、電話ボックスに入る少年。

少年
「なんだべ?、こんのキラキラした石っころは?」

天使のケータイを手に取り、表面をスライドさせると・・・

「Im' calling now・・・」

少年「え?なに?電話け?」

とある世界に出現したモノリス(石板)が七色に輝きだし、

導かれるように、モノリスに触れる女性。

少年の母
「おやま、かずちゃんでねかぁ?」

少年の母親は、モノリスに触れたたま会話を続ける。

少年「かっちゃあ・・・、おらぁ、会いたかったぁ~(ToT)💦」

一時間後、次に若い女性が天使のケータイで誰かと話している。

若い女性「正也さん?」

男性「お?、鈴菜け?・・・元気け?」

若い女性「う、うん・・元気だよ🎵正也さんは?・・・」

男性「ん?元気だぁ・・・そげより、ごめんな?」

若い女性「え?・・・なに?」

男性「おめさ幸せにするってだに、先に逝っちまって・・・」

若い女性「そぉだよ、ずるいょ・・・毎年、東京から ここへ来てから、港にお参りいくんだからネっ!(笑)」

男性「そだな、わりがっだな(笑)・・・」

若い女性「ねぇ、会いたいんだけど・・・・」

男性「鈴菜・・・もう、ここくんな。俺の事は忘れて、新し彼氏つぐれ・・・・」

若い女性「そんな・・・」

男性「鈴菜?・・・・おめさの幸せを、草葉の陰から祈ってっから・・・・」

何者かが、天使ノキセアの背後に、音をたてずに近づく

天使ノキセア
「・・・人間よ。過去を乗り越え、未来(あした)へ進むのだ・・・。
他を見下げる心無く、
団結(つながり)こそ、
君達の信じる糧となるであろう。」

突然、ノキセアの左胸を貫く、鋭利な刃先。

ノキセア「?・・・」

ノキセアは身動き出来ずに、返事の無い電話ボックス側に顔を向けながら、
膝から崩れるように倒れた。

天使?「よっとっ!(笑)」

鋭利な刃先を軽々と抜き、
身動きできない、ノキセアの顔を覗きこむ天使。

天使?「お疲れ・・・」

ノキセアを刺した天使は、
電話ボックスに、人影がない事を確認して、ケータイを取り出す。

天使?「あーあ、これ、フリーズじゃん?(笑)・・・ショップへ持ってかなきゃ~」

ノキセアは、
残った渾身の力で、
飛び立とうとする
天使の左足首を掴む。

ノキセア「・・・・(Ф◇Ф)(君は・・・・誰だ?)」

天使?「なあに?、σ(≧ω≦*)私にいちゃもんつけんの?(笑)」

ノキセアに顔を近づける天使。

天使?「あんたねぇ、天使向かないわ、やっぱ・・・」

天使はノキセアを蹴飛ばすように仰向けにすると、再び顔を近づける。

ノキセア「(・・・どうゆう・・・意味だ?)」

天使?「最後だから、良いこと教えてあげる。」

ノキセアの左の胸のキズから、光のかけらが、ゆっくり立ち上る・・・・

天使?「あんたは、もともと・・・・人間なの。(笑)」

意識が薄らいで行くノキセア。

天使?「もしもーし!、聴いてる?」

ノキセア「(僕が・・・・人間?)」

(ノキセアの回想と現実が入りまじわう・・・・)

幼稚園児達が園内の庭先を走り回る・・・・

ノキセアに向かい、満面の笑みを浮かべ、手を振る園児

園児「せんせぇ~(笑)」

ノキセア「(僕が、人間?・・・)」

(回想)
海沿いの原子力発電所が、津浪に襲われ、次々大爆発を起こす。

頭をつんざくほど連打される鐘の音が響く。

高笑いする、顔の見えない、背広姿の男たち・・・・

仮設住宅で不十分な生活を強いられる人々・・・・

ノキセア「わああああっ‼」

幼稚園内で伏せる、保父姿のノキセア

保母「野関先生‼・・・野関先生‼」

野関と呼ばれるノキセアの前に、
完全防護服にエアフィルター付き防塵マスクを着けた、
幼稚園児と職員達が、
心配そうに見つめている。

保母「先生‼、このまちは、放射線量が下がってないんですよ!まだ薄着は危険です‼」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
僕達の未来は、
いったい何処に行くのだろう。

垂れ流される、
嘘と真実の入り交じった、
膨大な量の情報。

選挙の時だけ、
耳障りのいい言葉を垂れ流す政治家たち。

コントロール出来ない物質を、責任転嫁で、垂れ流して逃げる大企業。

生活費がギリギリのなか、町に帰れない人々。

いったい誰を信じて前を進めばいいのか?

綺麗事聞かされるより、
あしたの事、
将来の事。、誰が責任を持つのか?
誰が原因なのか?
いつ終息するのか?

誰も何も言えないまま、僕らは死んで逝くのか?

だったら僕は、キンモクセイの華のようになりたい。

何度も何度でも、やり直すように花を咲かすように。

(終り)