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空想携帯小説家(20120708)'s blog

空想携帯小説家(山本 繁一)の作品を公開しています。

(不定更新小説)空間爆撃機イグドラシル

1話
「彼のもとへ~another angel 」

(病室、
心電図が不整脈を起こして、
けたたましい音が鳴り終えて数秒後、

医師達が電気ショック等の
延命処置するが、亡くなる男性)

医師「最善を尽くしましたが・・・」

(若い女性に、深々とお辞儀する、力尽くす医師と看護士達。)

女性「ありがとう御座いました。・・・・ほんとうに・・・」

(嗚咽を圧し殺しながら、
礼を言う女性に、
医師は遺体の始末の確認を問う。

女性「・・・今は、

(彼は、私と出会い、

やっと気持ちが通じた数ヵ月後、

息を引き取った・・・。

大病を患っていたなんて、

彼から、なにも聞いてなかった。

これならもっと
膝詰めで話をすればよかった。

彼はなぜ、
私になにも言わなかったのだろう。

逢いたい・・・・・

逢いたい・・・・

どうしても逢いたい。)

ちょっと、
今は何も考え付きません。

ごめんなさい。」

医師「御家族、ご親戚のかたに連絡していただき、御遺体様の安置を。」

(せかす病院側の対応に、女性は、何も考えがつかず、病院を後にする。

11月の夕方は肌寒く、
彼女の気持ちまで強張らせた。)

警備員「恐れ入りまーす、歩道帯をお歩きくださーい。」

(警備員の誘導の声は届かず、
水道管埋設工事中を歩む女性。

ふと、季節外れのキンモクセイの香りに、正気を取り戻すが・・・)

女性「キンモクセイ・・・?・・・あっ‼」

(突然、誰かに脚を引っ張られたような感覚になり、

深さ五メートル近い、
道路の掘削箇所に落ちたまま、
意識を失う女性。

救急車のサイレンと、
人々のざわめき・・・・

そして安否を呼び掛ける声・・・・

何分たっただろうか?、
ふと気が付けば、彼とは違う声が聞こえる。)

男「おい女、生きてるのか?・・・死んでるのか?」

(女性が目を覚ますと、全方位が真っ白な世界のなかにいた。

女性「ここは?」

(七三分けで、眼鏡をかけたスーツ姿の男が、うつ伏せになっていた女性に声をかける。

スーツ姿の男
「ここは、冥府だ。」

女性「冥府?」

(途方もなく考える女性に、ソバージュで、真ん中分けの髪型の男が背後から現れ、話し掛ける。)

ソバージュ頭の男
「ここはなぁ、
あの世の入り口やねん。

しかも、地獄でも天国でもないねんで?。」

女性「私は、死んだの?」

(スーツ姿の男が、ほっとした表情で、話を続ける。)

閻魔大王(image中井貴一
「仮死だ。人間界の時間と、何故か若干ずれがあるが・・・・。

初七日まで、数日と時間はある。帰りたいか?」

(うなずく女性。

そして、閻魔大王の発言を問いただす、ソバージュ頭の男。)

ソバージュ頭の男
「ちょっ、大王さま?、なにゆうてますの?天上界の真似事はあきませんて。」

(スーツの男が、閻魔大王と聞き、驚く女性。)

閻魔大王
「善鬼、表裏一体の、天上界を、我々で建て直す切っ掛けにしないか?この女をつかい・・・。」

女性「え?・・・あ、私がっ?」

善鬼「ちょっ・・・、
あきませんて。

この子、人間ですよぉ?。
この子が凡夫として、どれだけ罪背負っとるのか、しらべてますぅ?」

閻魔大王「逆に罪深き人間が、どれだけの逆境に立ち向かうか、是非とも見てみたいものよ(笑)」

善鬼「あかん。、界王達が大王様の、その立ち振舞いへの不信任案をだしますよっ!そないなったら、どないしはるんですかっ?」

閻魔大王「それが、如何なるものぞ(笑)」

善鬼「大王さま!、よもや、地獄界を見捨てる気ですか?」

閻魔大王は、善鬼のお咎めを鼻で笑う。)

閻魔大王「バカを抜かすでない。更正の森は、私でしか扱えぬ。」

女性「更正の・・・・森?」

善鬼「人間のじいさんがやる、盆栽やジオラマ作りぃみたいやもんやけど、罪を犯した者が、直接大王様の指示を受けて暮らしてん。」

(軽く咳払いをひとつ付く、閻魔大王。)

閻魔大王「(女性に対して)お前はまだ、仮死であり、私の裁きを受けておらぬ・・・・故に、更正の森へは入れぬ。」

女性「あのぅ、話が・・・(見えません。)」

(大王は、黒い懐中時計を、ズボン下から取り出して、文字盤をみながら、女性に語り出す。)

閻魔大王「私が、お前を人界に帰す条件は、ひとつ。・・・・太平洋戦争当時の日本へ飛び、時代を変えて来るのだ。」

(つづく)