※この作品はフィクションです。
第一話「片腕のない天使」
音のない、
すべてが真っ白の部屋・・・・
自分の鼓動だけが、
むなしく響く・・・・
(音のない回想)
仰々しい姿をした、
天使たちが、
若き天使(image長濱ねるfrom欅坂46)を連れていこうとしている。
左腕をのばして、誰かの名前を叫ぶ、若き天使。
青年(image福士蒼汰)も、天使の名を
、何度も何度も叫び、
警察官達に押さえ付けられながらも、右腕を天使に向かってのばしている。
数十秒間、おたがいの指先同士がふれあうが、やがて引き裂かれて行く二人。
歯車のような扉が、手を伸ばしたままの、
天使の腕を挟みながら、ガリガリと音をたてた。
泣き叫ぶ天使。
(回想終わり。)
大天使・サーべ(image澤部佑fromハライチ)「ネル!・・・おい、ネルぅっ!」
うなされて、はち切れそうな切ない想いで、目を覚ましたネル。
天使ネル(image長濱ねるfrom欅坂46)「なーんだ、サーべか?・・・ザンネン( ´△`)」
大天使サーべ「なーんだじゃねーよ!魘されてたじゃん!、大丈夫かよっ‼」
左腕を無くしたことを、今さら思い出すように、左腕のあった場所をさするネル。
天使ネル「わたしの腕、もう、無かったっけ・・・・」
洗濯物をたたみながら、ネルの顔を見ないようにしてるサーべ。
サーべ「あ、あぁ・・・、でもよぉ、片腕だけで良かったよ。」
ネル「なんで?」
サーべ「だって、あんな多くの人間に、姿を曝した天使がクロノス・インフィニディア様が許すわけないじゃん!」
ネル「ねぇ、クロノス・・・なんチャラって、だれっ?」
時折首をかしげながら、言葉を選びながら、話すサーべ。
サーべ「たしかー、我々天使の、大始祖的存在で、俺らは、その姿をみる事は絶対にないんだ。」
ネル「なんで?」
話の途中、探りを入れるような、問い掛けをするサーべ
サーべ「しらねーよ。・・・ところでネル、地上(ローマ)に、【真実の口】って奴があるの、知ってるよな?」
ネル「人間が作った、嘘発見器みたいな奴でしょ?知ってる。」
サーべ「まぁ、実際にそいつは、手を切ることはねーけどな・・・」
ネル「何が言いたいの?」
ベットに腰かけたネルに、向き合うサーべ。
サーべ「おまえ・・・地上になにしに行った?」
ネル「・・・・・」
サーべ「人間の男か?・・・薄汚く、依存症が多い、人間なんだな?!」
ネル「いいたくない。」
サーべ「ネルゥッ‼、今度・・・勝手に地上に降りたら、大変なことになるぞ!」
軽くため息をつき、ひねくれるネル
ネル「いま、・・・左腕がないこと事態、大変な事でーすっ‼」
また、ベットで、サーべに背を向け横になるネル。
サーべは、いそいそと身支度を整えた。
ネル「どこか行くの?」
サーべ「あ、あぁ。
地上監視部から依頼を受けてな、
カメラ修理に行くんだ。・・・
あ、あいつら双眼鏡から、
モニター監視に変わってさぁ~(笑)・・・
あいつら最近は、
菓子食いながら、
仕事してんだぜぇ~
ほんと参っちゃうよぉ。(笑)」
ネルは、サーべに背中を向けながら、寝たフリを決め込んだ。
ネル「👀・・・・」
呟くサーべ。
サーべ「この部屋に居れば、クロノスインフィディアの機嫌も直るから・・・なっ。頼むよ。俺の結婚式も掛かってるからよぉ・・・後輩‼」
サーべが出ていくのを、耳で確認したあと、仰向けになりため息をつくネル。
ネル「雄一・・・・」
【Reincarnation】
足元がドライアイスのような霧が流れ、
頭の上にも、同じ様な情景が広がるなか、足元を確認しながら歩く大天使サーべ。
サーべ「クロノスインフィディア様‼ サーべ、只今到着しました。」
どこからか、品の深みがある珈琲のような声が聴こえる。
(つづく)