ユガンダオトナ
※国会議事堂地下
特殊装備を着けた兵士達が、雄一とネルを、総理大臣・京極の前に、差し出した。
総理大臣・京極(image竹中直人)「よーこそ、ネオジャパン 東京会議へ。」
京極の顔を見た瞬間、恐れる雄一。
そんな雄一のもとへ、つかつかと歩みより、腰を降ろす京極。
京極「雄一・・・とおさんだよ。(笑)」
失語症のようになった雄一は、両手が拘束されたまま、発作のように、首を激しく横に振りだした。
京極は顔色1つ変えないで、優しく雄一の頭をなでる。
京極「おやおや。折角、十数年ぶりの再会なのになぁ(笑)・・・」
同じく両腕を拘束されたまま、左側に座らされたネルの顔を、ゆっくり見る京極。
京極「君は・・・あぁ、四年前にも・・・見た記憶がある。・・・そうだ、総裁選の街頭演説中、雄一をさらおうとしたんだよね?(笑)」
京極は、右手人差し指と親指で顎を、くいっと持ち上げ、キスをしそうな距離までネルの顔に近付ける。
天使ネル(image長濱ねるfromけやき坂46)「貴方が、雄一を廃人にした、毒ガスを撒いた張本人?」
京極「そうだとしたら?・・・あん?(笑)、見えてたんだろ?・・・その透き通る、天使の瞳(め)はっ❗(怒)」
ネルの左ほほを右手で殴る、京極。
反動で鋭い目付きになるネル。
ネル「自分の主張を通すために、多くの人々を巻き込むなんて、絶対おかしい❗」
京極「巻き込む?・・・は?・・・
たかが殴られたくらいで(笑)。
いいか?、
いま、
この国の回りには、
アホな政治屋の、
金撒き土下座外交(戦犯謝罪)を重ねすぎたために、
回りの国は、
軍事列強大国だらけになり、
核ミサイルぶちこまれても、
未だにこの国には、核シェルターの1つすらないありさま。・・・
そんななかで、国民を護る?・・・
はぁっ?!・・・
できるわけねーだろ?、違うか?・・・」
ネル「人間同士は、話し合いができるはず。」
京極「はっ!、ちがうね。だから俺は、
雄一が生まれ、
成人するまでに、
政に関わる事を決め、
のしあがるために、
汚い仕事にも手を染めてきた‼・・・
なぜだかわかるか?
すべては、この国を支配し、
建て直すため、
軍事独裁国家を目指すために、
先ずは国内の平和主義者を抹殺し、
シビリアンコントロールを強化したかった。(笑)
だーが、お前さんが、その俺の夢をぶち壊したんだ。
雄一を後継者にするつもりだったのに
お前がタブらかして、連れ去ろうとしたから、
二度と、お前が近付かないように、潜伏先に逃げた雄一を、かたわにしたんだ。
雄一を廃人にしたのは、俺じゃない‼・・お前だよ、お・ま・えっ‼
」
ネル「・・・貴方は心が歪んでいる。
雄一には、画家になる夢があったのっ!、
それをあなたが思想を押し付けたから、
私は、今にも壊れそうな雄一を、連れ出したかったっ‼
人間は、最小限のルールを守らせれば、支配なんかしなくてもいいんです‼」
京極「それができないから、更なる力が必要なんだ。」
ネル「だから、天使の力を?」
ネルの脳髄に響く鐘の音。
ネル「いっ(痛)・・・たい・・・」
京極「は?、天使のちから?・・・今更いらねぇよ。・・・・ただの(ヘックス)粒子の塊じゃねえか?(笑)」
京極が、
天井を仰ぎ見ながら、
両腕を広げると、
背後の壁の羅針盤が左右に別れ、
奥から、更なる巨大で多用途な計器をつけた、
羅針盤が現れた。
姿なき大天使
クロノス・インフィディア(声image中尾彬)
「わが愛しき娘・・・ネルよ・・・」
天使ネル
「いい加減にしてっ‼・・・私は、あなたの所有物じゃない‼
」
両腕を下ろし、異様に首を回しだす京極。
京極「さて、冥土の土産に、いー事を教えてやろう。」
ネルは息を呑んだ。
京極「お前が雄一をさらおうとした四年前、魔界・・・つまり、魔族(我々)と、天上界の大天使どもと同盟を結ばせて貰った。」
ネル「うそ・・・。」
クロノス・インフィディア
「新たなる聖地、アバロンを建設するために、汚れすぎた人間・・・・いや、人間そのものを抹殺するために、魔族と手を組んだ。」
京極「俺らは、天上界に戻ることができれば、それでいいんだがな(笑)」
耳を疑うネル。
高笑いしたまま、突然絶命する京極。
背後には、巨大で得たいの知れないものが・・・蠢く。
悪魔・アスタロト(声image竹中直人)「すべては闇のままに(笑)」
大蛇に股がる、ドクロのアイマスクをつけた、筋肉隆々の全裸の青年天使。
アスタロト「我が名は、アスタロト。天使と悪魔の融合体である。」
ネルは、雄一の拘束を解き、地上へ避難させる。
ネル「私の事は、何も思い出さなくたっていいっ‼・・・嫌いでもいいから、雄一‼・・・いまは逃げてぇっ‼」
アスタロトの股がる大蛇の尻尾が、ネルの右脇腹にヒットして、壁に打ち付けられる。
ネルたちを連れてきた兵士が、
アスタロトの大蛇に向けて発砲するが、
その隙をつき、
アスタロトが兵士二人を、
みたらし団子のように、
槍で兵士たちを一瞬にして、脇腹から貫いた。
出入り口付近で腰を抜かしてしまう雄一。
アスタロト「得たいの知れないものを見た人の子は、どうなるか、わかるよな(笑)」
アスタロトを追い越すように大蛇が、雄一に向けて口を広げた瞬間。
展示してあった日本刀を掴み、向かい合わせに、大蛇のあごに突き刺したネル。
天使ネル「雄一の夢は、私が護るっ‼・・・」
(不定期だけど、つづく)