空想携帯小説家作品集ht2355(20120708)'s blog

空想携帯小説家の作品を公開しています。

④ここにも、天使は居る。#image原案:NMB48

第4話 難儀やなぁ


※東京・神田・古本屋街


天使と死にかけた男が、
平日の昼間に、
出版社を散策している。


さや姉
「なぁ、ほんまこっちでエエんか?」

死にかけた男
「あ、はい。」

さや姉
「せやかて、出版社ゆうても、この不景気で、どっこも開けっ広げで、作品を募集せぇへんとちゃう?・・・ある意味博打やで?あっちも。」

死にかけた男「・・・・・」

さや姉「また黙りかいっ❗」

死にかけた男「あれっすね。」

男が指差した先に、
築70年近い雑居ビルの二階に、怪しげな出版社が見える。

さや姉
「は?・・・
ここ、やばいんとちゃう?・・・

きぃつけへんと、

ぼられんで?(笑)」

今にも床が抜けそうな階段を昇ったら、

目の前に、木造の引き戸が見えた。

死にかけた男は、軽く深呼吸をする。

さや姉
「なぁ、おっさん?。

基本、
天使(うちら)が、
人間のやることに、

口出ししたらあかんねんけど・・・・

なんかおっさん、
ボッチにしとったら、

何ヘマするか解らんな。」

死にかけた男
「こんどこそっ、大丈夫です。」

さや姉
「ほんまか?(笑)・・・

ところで、

なんでそんなん文字書きに拘るん?」

死にかけた男
「私は中卒で、趣味も、取り柄も、何にも無いんですよ。」

さや姉
「うそやろ?(笑)・・・50年近く生きとったら、なんかエエことあったんちゃう?」

死にかけた男「実は、恋愛も中途半端で・・・・」

突然木製の引き戸が開く

出版社編集長(imageブルゾンちえみ)
「あら、なにか?」

さや姉は、
人間とは異なる、
異様な妖気を、
一瞬で感じとった。

さや姉
「(なんや、コイツ?・・・妙に重たい視線やないか?)・・・」

テンパる死にかけた男。

死にかけた男
「あっ、あっ、あっ・・・・」

吹き出す編集長。

出版社編集長「ふふっ。何かようでしたら、どうぞ・・・とっておきの、アールグレイを入れましょう。(笑)」

怪しむ目線のさや姉。

編集長「そちらの、関西弁の彼女さんも・・・、よかったらどうぞ(笑)」

さや姉
「あ、はい。(コイツ、うちの姿、ガチで見えとる。・・・難儀やなぁ。)」

古びた部屋に案内される、死にかけた男と天使。

編集長「ごめんなさいね?・・・昔は職員が、20名ぐらい居たの・・・」

さや姉「カビクサッ‼・・・(・・・ぐらいって、どうゆう意味や?・・・)」


身長の高い男二人が、
紅茶とモンブランを二人分持ってきた。

さや姉「あ、どーも。(コイツら・・・人間や無いかも知れん。)」

猜疑心で3人をみる、さや姉。

死にかけた男
「どーしちゃったんですか?、さっきっから、なんか・・・顎がしゃくれてますけど(笑)・・・」

さや姉「うちは般若かっ?!」

死にかけた男「いやいやそれほど、高価なものでは(笑)」

さや姉「うぉいっ!(笑)」

死にかけた男と、天使のやり取りに微笑む編集長。

編集長「ふたりは、恋人かしら?(笑)」

さや姉「はぁっ?何でや!・・・・なんで、こんなんおっさんの彼女やなんて・・・、パトロンでもイヤや❗」


編集長「ふふっ・・・おかしな二人ね?(笑)・・・・じゃあ、出逢った切っ掛けは、なに?」


死にかけた男「私が、すべてに失望して、電車に飛び込もうとした所を、彼女に助けて貰ったんです。」


遠巻きで、さや姉を警戒する背の高い男たち。


編集長「じゃあ、あなたたちは、お互いの名前を聞かないで居たの?(笑)」

さや姉「そうゆえば?」

死にかけた男「してませんね?」

(つづく)