空想携帯小説家(20120708)'s blog9875321

空想携帯小説家(山本 繁一)の作品を公開しています。

#1天使セシル

ねぇ、今きみは、
どこにいる?

辛くない?

叫びたくない?

誰かが強いたレールの上を、

仕方なく明日に向かって歩く人々のなか、

きみは、何処にむかってるの?

たまには、その思い荷物を、そこに起きっぱなしにして、走ってこない?


#1 アイツが空から降ってきた⁉

【とある、スーパーマーケット】

天使セシルが、
高校生の制服のまま、
スーパーマーケットのカートを、
がらがら押しながら、
何やら小言を呟いている。


天使セシル(image平手友梨奈from欅坂46
「はぁ~、どうしよぅ・・・おじさんが、明け公休日で、お仕事から帰ってきちゃうっ。・・・あぁ、たまには僕が、何か作って上げたいなぁ・・・」

精肉コーナーの前で、
もくもくと、
カセットコンロで何かを焼く、
ワイシャツに、
明らかに女性用のエプロンをつけた男。

カートを押しながら、

セシル「おにくかぁ・・・おじさん、もうじき五十だから、あんまり・・・」

セシルのボソボソの呟きに、目をつり上げるエプロンをつけた男

一瞬だったが、視線の独特の強さを感じて、男の前に立ち止まるセシル。


エプロンをつけた店頭販売の男(image北村 一輝)
「おじょーちゃん、その顔だと、おにくが、加齢(けんこう)と関係があるってか?あん?・・・・ま、食べてみ?(笑)( ̄▽ ̄)」

天使セシル
「(・・;)・・・」

固まるセシルに、小皿に乗った豚のしょうが焼きを手渡す男。

エプロンをつけた男
「ほれ?(笑)( ̄▽ ̄)」

躊躇いながらも、小皿を受け取り、その一口を頬張るセシル。

セシル「わ、・・・おいしい。(笑)」

エプロンをつけた男
「どーよ、こんだけ味濃いのに、塩分、カロリー半分の、この焼肉のたれっ‼新発売だよぉ🎵・・・これでおじょうちゃあんの、パパさんの健康維持は、間違いなっし!(笑)( ̄▽ ̄)」

セシル
「あのっ・・・私が心配なのは、・・・(年上の)彼ですっ。」

急に耳打ちするように、小声になる男。

エプロンの男
「え゛?、うそでしょ?・・・軟禁されてる?」


ハニカミながら、首を横に振るセシル。

セシル「ぼくの、片想いですけど。」

あっけに取られる男。

エプロンを着けた男
「は、犯罪のよかーん。(笑)( ̄▽ ̄;)」

エプロンを着けた男と視線を合わせず、うつ向きながら、
豚肉と焼肉のたれをカートに入れ、レジに向かうセシル。

陳列だなに、乳製品を陳列する男が、指をならすと時が止まり、

回りを確認して、
すっと立ち上がり、エプロンをつけた男に近づく青年。

天神(image妻夫木聡
「どうよ、あの子(笑)( ̄▽ ̄)・・・冥府の騎士、アポロガイストよ。」

男はエプロンを外すと、身体は中世の鎧をまとい、目元には黒いアイマスクをつけ、髪は赤毛の炎のように逆立った姿に替わった。

冥府の騎士・アポロガイスト(image北村一輝
「あれが、神魔一体の天使(ビショップ)?」

天神「あの子さぁ、
僕がワイズマンノート(創造の書)に描いたイメージと、
かなり違っちゃってるから、
消したいんだけど、

なんか知らない力が働いちゃって、消えないんだよぉ・・・(笑)( ̄▽ ̄)」

アポロガイスト
「・・・・報酬は?」

天神
「ん~、本来的には、人間界はとっくに滅びてたんだけど、・・・・この次元に暮らしてる、一切の人間の魂・・・で、いいかな?。」

アポロガイスト
「承諾だ。早速、キングダーク様に報告申し上げる。」


【天使セシルと本多信雄が暮らす、賃貸マンション】

玄関先で、ビニールの買い物袋と、通学鞄を置き、靴を脱ぐセシル。

セシル「もどりましたぁ・・・」

2LDK のリビングから、
襖をそっと引き開け、

本多信雄に、
静かに声をかける 天使。

本多は、タンクトップと、トランクスパンツのまま、敷き布団の上で、大の字のまま寝ている。

セシル「あ、・・・(まずかったかな?)」

天使は、ジーンズ柄のエプロンをつけ、
スマホを取りだし、動画サイトを見ながら、
何やら食事の支度を始める。

シェフ大泉(image大泉洋
『おみまいするぞーっ‼・・・さぁ、シェフ大泉の楽しいクッキングの時間ですっ‼・・・』

セシル「は、ハリマット?・・・・」

セシルは、聞き覚えのない魚の名前に戸惑い、買い物袋の中身や、冷蔵庫を物色してみたが・・・・

セシル「やっぱ、無いや・・・」

仕方無く、冷蔵庫の余り物で鮭の切り身を見付けて、オーブンで焼き始めた。

セシル「溶き卵に、鮭の切り身を解して、塩コショウと・・・コンソメスープの・・・もと?」

調理の音に目を覚まし、寝室の襖の隙間から、セシルを見守る本多。

本多信雄
「(だいじょぶかぁ?・・・もと人間とは言え、天使が、料理なんて・・・)」

セシル「あつっ‼」

本多「お、おいっ。どないした?大丈夫か?」

セシル「あ、おじさんっ‼」

怪我を恥ずかしがる天使。

本多「てぇ、見してみぃや。」

セシル「( ̄▽ ̄;)。あ、ちょっと火傷しちゃっただけなんでぇ・・・」

キッチンの流しで、本多は、セシルの背後にまわり、

まるで、子供に手洗いを教えるような優しさで、少し火膨れしたセシルの指先を、流水で冷やしている。

セシル「・・・・(照)」

本多「なんや?・・・まだどっか、熱いんか?」

セシル「人間・・・い、いぇ、男の人に、優しくしてもらったの、僕、初めてで・・・」

本多「て、てち?・・・あ、いや、セシルって呼んだほうがええんかな?(笑)( ̄▽ ̄)・・・俺はお前に、恩を感じとんねん。」

セシル「恩?・・・」

本多「君と出逢う、だいぶまえ、震災におうてな、妹、亡くしとん・・・」

セシル「(知ってました。・・・)」

本多「でな、君に妹の制服着せたら、ようにとって、ほんま、あん時は、よう腰抜かしたわ(笑)( ̄▽ ̄)・・・でな、君は、酒浸りやった俺にとって、最後の家族やと、思えるようになってん。」

セシル「・・・僕は、そんな綺麗な存在じゃないです。」

セシルの背後に回ったまま、蛇口を閉め、深く深呼吸をして、そのまま
ゆっくり力を込めてハグする本多。

本多「片意地・・・張らんでええねん。」

セシル「・・・・おじさん。」

本多「せっかく、地上(ここ)で、人間のフリできんねんから、生きとることを、まじめに楽しむんや・・・そして、いつまでも側におってくれや・・・たのむわ。」

それは、いままで孤独だった男が、天使に呟いた、寂しさだった。

セシルは、強めの本多のハグを振りほどき、向かい合うと・・・

セシル「おじさん・・・。💓」

胸元で指を組み、
瞳を閉じて、キスがおになる。

小柄な天使のおでこに、本多は自分の額をつけ、子供のように惚ける。


本多「ん?なんや?・・・目んなかに、なんか入った?」

軽く咳払いして、
部屋に漂う、焦げ臭い匂い気がつく。

セシル「あ、・・・やっちゃった。」

本多「ほ、ほんまや。」

ふたりの視線は、焦げ始めた卵焼きにそそがれる。

本多「さ、皿や!てち子、皿!」

セシル「あ、はいっ‼。」

セシルは、あわててガス台の火を止め、
フライパンの焦げたオムレツを、
テーブルに置いた皿に、盛り付ける

テーブルに向かい合って座る二人は、安堵からか、どちらともなくため息をついた。

本多「これ、てち子が、初めて作ったんやな?」

本多の問い掛けに、諦めに近いうなずきをする天使。

箸を取り、焦げたオムレツを、まん中から割ってみる本多。

本多「お?・・・がわは失敗しとっけど、うまくできとるんやない?(笑)( ̄▽ ̄)」

セシル「動画サイトでみながら、何となくですけど・・・つくってみました。」

テーブルのすみに置いていた、スマホの動画サイトを再生させると、男の絶叫が聞こえた。

シェフ大泉『撃ち抜くぞーっ‼(笑)( ̄▽ ̄)』

セシル&本多「・・・・」

本多「これは、料理を・・・・」

セシル「初めての料理、で検索したら、でたので・・・つい。」

本多は、動画をみながら、セシルのオムレツに再び箸を伸ばし、一口をほうばってみた。

セシル「不味かったら、僕・・・作り直しますから。」

本多は含み笑いをしながら、テーブルの向かい側の天使を手招きし、
頭を出したセシルの頭を、ぽんぽんと、軽くたたいた。

本多「上出来や(笑)( ̄▽ ̄)・・・」

突然、居間で何かが落ちる音が響く!

セシル
「お、おじさんっ⁉」

セシルと本多は、顔を見合わせたあと、あわてて襖を開けると、

居間の天井に空間のねじれか?
ブラックホールのような、闇が広がり出した。

ブラックホールの穴から堕ちてきたのか?少し小柄の女性が、尻餅を擦っている。

少し小柄の女性
「あたたたた・・・・」

セシル
「あ、あのぅ・・・・どちら様ですか?」

小柄の女性
「あ、ごめんごめん(笑)( ̄▽ ̄)・・・」

本多「なんや・・・あの声は・・・」

ふと見上げた、闇の渦。

その渦の奥から、数知れぬうめき声が、段々大きくなる。

小柄の女性
「うぅわ、やっばっ‼(笑)・・・(*○ω○ノノ゙♪しーまーれっ‼♪しーまーれっ‼」

セシル「・・・・・?」

もうじき絞まりかけた渦から、突然、巨大な鋼鉄の手が飛び出した瞬間、

なぜか、無意識に引っ張られる感覚に捕らわれる本多。

セシル「おじさんっ❗」

小柄の女性
「やっばっ❗・・・カッティングデリート

小柄の女性は、
右の人差し指で、巨大な手に向けて、空間に車線をいれた。

黒い闇が、刃先で切り裂いたように、星形に線が入り、一斉にフェードアウトした。

その場に意識を失いながら力尽き、倒れ込む本多。

本多をあいだにして、担ぎ込む、セシルと女性。

セシル「あなたは・・・誰?」

笑顔で自己紹介する女性。

メル(image岡田結実
「わたしの名前はメル。あんたとおんなじ、元人間(笑)よろしこぉ~( ̄▽ ̄)」

(つづく)