空想携帯小説家(20120708)'s blog9875321

空想携帯小説家(山本 繁一)の作品を公開しています。

③岡田結実×空想携帯小説家「天使のため息」

※この作品は、フィクションです。

③東北・港町にて

秋も近づく、東北の港町に、
新幹線や第三セクターを乗り継ぎ、井浦香音が到着した。

周りを見ると、
ある意味、見張らしはいいが、

そこにはまだまだ、
生活感を取り戻せてない、
街の姿があった。

ダンプカーが行き交うなか、
マスク越しに、思わず香音が呟く。

井浦香音(image岡田結実
「七年かぁ・・・・」

トボトボと、すこし大きめのリックを背負い、海岸線をそって歩くと、

夕日が迫る、
灯台テトラポットの近くで、
女性が一人、

座り込んで、缶酎ハイを飲んでいた。

香音は、驚かさないように、
女性に声をかけた。

香音「こんにちわ(笑)( ̄▽ ̄;)」

女性(image高橋みなみ)「あ、こんにちは。」

香音「あ、あの・・・地元の方?」

女性「そうね。」

香音「あの、ここらへんに、県立の町医者があるって、聞いたんですけど・・・知ってます?」

ため息をつき、話を続ける女性。

女性「ここは、もうじき、真っ暗になるから、うちに泊まりなよ。」

香音「あの、今日はそこに行かないと・・・・」

女性「ここらへん・・・・まだ街灯無いから、出歩くのはヤバイよ。」

香音「・・・・」

女性が立ち上がった足元に、
ケルトンで、ティアドロップ型の携帯があることに、気がついた。

香音「綺麗・・・・どこのキャリアですかぁ?・・・最近、いろんなのあるから、買い換えに迷うんですよねぇ~?(笑)」

女性「いつかまた、このケータイが鳴るような・・・そんな気がして・・・」

香音「あの・・・彼氏さん?ですか?・・・」

女性「天使。」

香音「えっ⁉」


しばらく高台に向かって、歩いていくと、

左の翼の半分がちぎれた、
背の高い、天使のブロンズ像が、今にも飛び立ちそうな姿で、
佇んでいる。

前に回り、ブロンズ像の顔を見る、香音。

香音「わ、・・・イケメン(笑)」

女性「カシエル・・・・」

香音「・・・・・」

ブロンズ像を見つめる
二人を、

漁港の駐車車両の間から見つめる、白衣姿の男

白衣姿の男(image斎藤工)「さっさと、人間を滅ぼさないから、後から哀しみが、人の子の心に、何時までも降り募るのだ。・・・カシエル。」


夜・・・・
仮設住宅の、
商店街にある、
居酒屋に入る、香音たち。

居酒屋の女将(image Ikko)
「あら陽子ちゃん、また来たわねぇ~」

陽子(image高橋みなみ)「女将さんこそ、また顔浮腫んだでしょ?」

女将「それ言うぅぅぅ!(笑)( ̄▽ ̄)」

一瞬の掛け合いだったが、一気に店のボルテージが上がった。

香音「すご(い)・・・・」

小皿に盛り付けた、枝豆を差し出す女将。

女将「よーこちゃん、ハイ、サービスぅ~(笑)( ̄▽ ̄)」

陽子「あ、なにちゃんだっけ、名前。」

香音「はい、私の名前は、井浦香音。んで、高2です。」

陽子「あたしの名前は、鹿沼陽子。この港町にあるスーパーでレジうちしてる。」