空想携帯小説家(20120708)'s blog9875321

空想携帯小説家(山本 繁一)の作品を公開しています。

#4天使セシル

ある朝のできごと


ぼくが、

おじさんのところに
転がり込んで、

もう、数ヵ月がたった。

ほんとは、
もっと前からだけど・・・

流れ行く時間を変えたこと・・・・

今は、そんなことはどうでもいい・・・

せまい折りたたみベットのなか、
お互いの身体を寄せあって、

朝が来るのを待ってる。・・・

ぼくは、そんな日々が大好きだ・・・。

おじさんは、ぼくよりはるかに年上だけど、

威張らないし、

強要もしない・・・。

でも、時には強く、
肩を引き寄せて欲しいけど、

おじさんの優しさの1つだと、

ぼくは、信じてるから、

ぼくも、無理は言わないよ。

大好きだから・・・

離したくないから・・・

ずっと・・・

ずっと・・・

このままでいたい・・・・

このまま、朝なんかこなけりゃ

良いのに・・・

ああ、おじさんのいびきが聞こえる。

うるさいときも、

たまにお酒臭いときもあるけど、

こんな凍てつく夜は、
人肌がいとおしい・・・


#4 すてられたもの

ある朝、本多信雄と、天使セシルは、狭い折りたたみベットの中に居た。

まだ、陽が上らないうちに、目を覚ました、もう一人の天使。

天使メル(image岡田結実
「ふぁぁぁ~\( ̄0 ̄)/・・・さみくて、目を覚ましちゃったよぉ~」

ジャージと、ロングTシャツの組み合わせのメルは、

あくびをしながら、
右手でお腹をかき、キッチンに出てきた。

メル「(さいきん、てち子ちゃん、一緒に寝て)・・・おっ。」

そっと、
本多の部屋のふすまを開けると、
今にも、ベットから落ちそうなくらい、

大の字に寝てる、
本多の右脇に、

子猫のように、
身体を丸めて眠る、てち子こと、セシルが居た。

メル「(あ、そーきたか。なーる。)(笑)( ̄▽ ̄)」

朝7時、
国営放送のニュースを垂れ流しながら、

3人の食事が始まったが・・・・

トーストをほうばりながら、
えへらがおで、セシルを見つめる、メル。

メル(テレパシー送信中・・・)
「(ねぇっ・・・したっ?)」

セシルは、視線を合わせず、うつ向いたまま、ホークで厚焼き玉子をつついている。

セシル(テレパシー受信中・・・)
「(なにがですか?・・・)」

メル
「(やぁだ、とぼけちゃう~?w・・・いいんだょ?天使だって、人間に恋したって・・・・)」


食欲が進まない、セシルを心配する本多。


本多信雄
「なんや?セシル?・・・飯、進まんか?・・・・」

セシル
「あ、いえ。ぼくは、大丈夫です。(笑)」

(気遣いの笑顔を見せる天使)

本多
「ほんまかぁ?・・・天使とはいえ、

目にうつっとんのは、
人間の姿やからなぁ・・・、(若い子の食の好みが、わからんて・・・)

今日なぁ?

ちょっと、厚焼き玉子んなかに、

しらす混ぜとん・・・・

あかんかったか?」

メルはヘラヘラと、厚焼き玉子とご飯をほう張る。

セシル(メルにテレパシー送信中。・・・)「(メルさんっ、おじさんに、変な気を使わせないでください!)」

メル「おっさんが気を使ってんのは、てち子ちゃんに決まってんぢゃん(笑)」

本多「な、なんや?なんの話や?」

キョロつく本多を尻目に、食べ終わった食器をシンクに浸ける二人。

(その日の真夜中)

季節外れの、
大雨が降るなか、

粗大ごみ置き場に、横たわる、がたいのいい男がいた。

捨てられた男(image宇梶剛士
「痛っつぅ・・・・」

着ていたアルマーニの背広はボロボロで、まるで乱闘騒ぎの後に見える。

捨てられた男
「はっ‼」

男は、起き上がるために、気合いを入れ、

そのまま、粗大ごみ置き場のゴミを、眺める男。

捨てられた男
「おっ・・・MDラジカセじゃん(笑)・・・」

そのラジカセには、電池が入っていたらしく、

電源を入れると、ラジオの深夜放送が、流れてきた。

懐メロに瞳を閉じて聞き入る男。

捨てられた男。
「お前も俺も、なんか・・・、

行き急ぐ時代に・・・
捨てられちまったな?(笑)」

灰色の、背広姿の男が近づく。

スーツ姿の男。(冥府の騎士・アポロガイスト/image北村 一輝)「やぁ。君も、世の中に、捨てられちまったんだな?」

捨てられた男
「誰だあんた?」

スーツ姿の男。(冥府の騎士・アポロガイスト/image北村 一輝)「俺に、協力してくれたら、・・・・」

捨てられた男
「協力?・・・・」

(つづく)