空想携帯小説家ht2355(20120708)'s blog

空想携帯小説家(山本 繁一)の作品を公開しています。

エンジェル 君の歌は僕の歌 2020(scene1992東宝)

二話 翼のない天使

(明くる日、作業着姿の、大川淳が、学童施設を覗き込んでいる。外は晴天にも関わらず、室内でマスク越しで、子供たちに何かを教えている若い女性。淳の姿に気がつき、可愛く手を振る。)

 

大川 淳「あ、(やべっ!)」

 

(門外の淳を、手招きする女性に、遠慮がちながらも、門前から、庭先に入る淳。ガラス戸をガラッと開けて、マスク越しで、淳に語りかけるゆり。)

 

ゆり「おーい。どした?昼休みだろ?(笑)

 

(淳に語りかける、ゆりの口まねをする子供たち。)

 

淳「あ、あぁ。(コイツ、何時もながら、おないどしとは、想えない態度だな?w)」

 

(ゆりは、デニムの後ろポケットから、鎖つきの、ながざいふを取り出す。)

 

ゆり「金なら、貸すよ。・・・・お馴染みの、十一でね?(笑)」

 

(ざわつく子供たちに動揺しながらも、話を続ける淳)

 

大川淳「あ、ちがうんだ。今日は。」

 

ゆり「あら?残念(笑)。」

 

(ながざいふをしまう、ゆりの隙をつき、意を決し、何かを伝えようとする淳。)

 

淳「あの、ゆり。けっ。・・・・」

 

ゆり「ん?、んっ?(笑)・・・」

 

(ゆりは、淳の言葉に期待しながら、マスクをゆっくりはずす。)

 

淳「俺と、結婚してくださいっ!」

 

(その意味を、知ってか知らずか、学童施設の子供たちは、拍手するが。)

 

ゆり「ごめん。私、叶えたい夢が在るんだ。

 

淳「国連の海外派遣?。」

 

子供「えー、先生っ、やめちゃうのぉ~😱」

 

 (スポーツカーの運転席側の窓から、淳と、ゆりを見つめる、無表情の若い女性)

 

ゆり「ん~、まだやめないけど、何れ、おねぇさんは、海外で、困ってる人の手助けをしたいと思ってまーす!(笑)」

 

(ゆりを、呼び出し、学童施設の庭先で、小声で話し出す淳。)

 

淳「なぁ、聞いてねーよ、そんな話。(まさか本気か?)」

 

ゆり「ふふっ、言うかバーカ。(笑)」

 

淳「いまさぁ、世の中が、どうゆう状況か、解ってる?」

 

ゆり「ウイルス感染拡大による、全国的な、自粛自粛自粛自粛自粛。テレビを点ければ、死んだ人の数や、閉鎖を選ぶお店の話ばっかり!」

 

(宥める淳。)

 

淳「あ、あぁ。わかるけど。(やべ、火を着けたかな?)」

 

ゆり「淳。あんたはなんも、わかってない!・・・・あんたは、生活必需品の工場だから、収入は、ある程度保証されてるけど、

 

私は、

大学出て、漸く就職に漕ぎ着けたのに、内定先からの、

どさくさ紛れの自粛要請に託つけた、

事実上の内定取り消し喰らった、

私の気持ちなんか。」

 

淳「じゃ、じゃあ、学童施設(ここ)に来てるのは?・・・(俺の借金がらみじゃねーのか?)」

 

ゆり「お金を使わず、食費を浮かすためっ、かな?。でも、このままで居たくない。」

 

淳「それよりいまは、マジで海外渡航は、難しいぞ。本気なのか?」

 

ゆり「コネはあるよ。前の彼氏が、国連組織の関係者で、ボランティアを捜してるから?。」

 

淳「じゃ、何時?行くんだ?」

 

ゆり「言わない。あんたに未練たらたら、付きまとわれても、ウザいし(笑)。」

 

淳「おまえ、はなっから、元サヤ狙ってたのか?」

 

ゆり「は?、私の話聞いてた?

・・・もういい。」

 

(思考停止の様に、言葉を止める淳に対して、うつ向きながら背を向け、学童施設の中にもどるゆり。

一方、

スポーツカーの女は、

淳に気付かれないように、

車を発進させた。

そして暫く、途方にくれる大川淳。)

 

神係爽子(元天使)

「いらっしゃい。(笑)」

 

(神係爽子(元天使)の居るアンティークショップの、木目調のドアが開くが、爽子は、店内の観葉植物達に水やりや、手入れをしてるから、誰が入ってきたか見ていない。)

 

スポーツカーの女

「爽子。久しぶりね。・・・」

爽子

「え?・・・・凜祢(りんね)。?!」

 

六路凜祢(むつみ りんね)

「どお、?下の世界は?」

 

爽子

「いつ、終わり果てない日々を、過ごさしてもらってます。」

 

凜祢、爽子

「波風立てずに・・・・(笑)」

 

(言葉を合わせた爽子と凜祢は、まるで昔のクラスメイトの様に、暫し話を弾ませたが。)

 

爽子「私の、後任?」

凜祢「あの方から、世界を終収せよとの、指示を受けた。」

爽子「まって、それは私が人間に・・・」

(凜祢は、爽子の話を遮った。)

凜祢「誰か来た。」

 

大川淳「すんませーん。(よしっ!、やっぱ、指輪買うぞ!ケジメだ!ケジメだ!)」

 

爽子「あら、貴方は、こないだの?(笑)」

 

(何かを思いだし、爽子に話し出す淳。)

 

淳「あ、ばぁちゃん、表に真っ白なスカG停まってるけど、ここは、駐禁じゃね?」

 

(舌打ちして、慌てて店外にでようとする凜祢。)

 

凜祢「あ、すいません。(クソっ!人間の分際で!)」

 

(淳に体当たりしたとき、凜祢の少し大きめの、ビジネスバックが床に落ち、

 

その鞄から、キラキラと蛍のように舞い上がる、光のかけら達と、床に散らばる

履歴書らしきファイル。

 

爽子は、光のかけら達が、天井をすり抜けていくさまを、優しい視線で追い、

凜祢と淳は、散らばった履歴書らしき

書類を、拾い集めるが、)

 

大川 淳

「あ、あぁ、なんかすい・・・えっ?、死亡・・・・確定証書?!・・・こないだ亡くなった芸人、・・・・こっちは、近所のおばさんの名前!なんで?」

 

六路凜祢(むつみ りんね)

「人間のくせに、干渉しないで。」

 

大川淳

「は?、あんただって、人間だろうが!」

 

(秘密を知られたと、察した爽子は、そっと溜め息を付いた。)

 

神係爽子

「見掛けはね?」

「え?」

 

(夜、廃病院の屋上に、爽子、凜祢、淳がつどい、凜祢は、もう一度、鞄から死亡確定証書を取り出した。)

 

爽子「私たちは、人の生き死にを任された天使。」

 

(天使と言う概念が、既に固定されていた淳には、目の前の2人の女性が、疑いの産物に見えた。)

 

淳「嘘でしょ?、天使って、翼があって・・・・、」

 

(淳の心を先読みして、言葉を発する六路凜祢 )

 

凜祢「頭には、蛍光灯だか、白色灯の光の輪があって、何時でも優しく微笑む・・・・、ふっ、バカじゃないの?これだから人間は、信念がない、ご都合主義だって?言うの。」

 

(続く)