海辺が望める病院で目を覚ます男。
看護師(image渡辺直美)「あ、野澤さん、気がつかれましたか?(笑)」
ノキセアが、ベットから、ガバッと起きようとすると、頭痛が起きた。
野澤と呼ばれたノキセア
「あの・・・痛っ!・・・(実体化した・・・のか?)」
コントのように、力付くでベッドにノキセアを倒す看護師。
看護師「だめですょ~っ。野澤さん、高いところから落ちちゃったんですからぁ~っ。(笑)」
ノキセアは、なぜ自分が野澤と呼ばれているのか?
なぜ実体化したのか?
思い出そうとしたが、頭痛が邪魔して思い出せない。
野澤(天使ノキセア)(imageディーンフジオカ)
「あのぅ、今日は・・・何日ですか?」
看護師「20日?・・・かしら?....で、でも退院はできませんよ!」
野澤(ノキセア)
「医者に会わせてくれ。」
惚けた返事で、ノキセアの病室に入る老医師。
老医師(image藤村俊二)
「はいはい~っ(笑)」
野澤(ノキセア)
「あ、貴方は.....」
老医師「はい?(笑)」
ノキセアに、しーっと言う仕草をして、看護師を退室させる老医師。
老医師「やっぱ、バレちゃいましたか?ノキセア君。」
野澤「神職を投げ出し、天上界まで逃げ出して、今更還俗ですか?」
老医師・藤村(天上界管理人)「天上界は、七人の大天使がいますから(笑)・・・」
ノキセア「では、正式な移行手続きを・・・」
藤村「手続きをとりたくても、貴方も今、人間になっちゃってますよ。(笑)」
軽くため息をつく、野澤こと、天使ノキセア。
藤村「ところで・・・この度の魔鏡の処理、大変お疲れ様でした。」
ノキセア「そうだ‼・・・綾や、天使長(センター)は?」
含み笑いで答える藤村。
藤村「あって見ますか?・・・驚きますよぉ~っ(笑)・・・えっとですねぇ・・・東京公演は....」
いてもたっても居られず、病院を出て行くノキセア。
再び入室する看護師。
看護師「いいんですかぁ?あの事伝えなくても・・・」
藤村「すべては、時の流れるままに・・・・ですかね。(笑)」
走り出すノキセアを、病室の窓から見送る藤村。
息を時折切らせながら、上杉綾の、コンサート会場を目指し走り続けるノキセア。
ノキセア「(...綾は生きてる。)」
~コンサート会場~
女性マネージャーが、少し疲労ぎみの綾に話し掛ける。
マネージャー「大丈夫?綾?・・・」
上杉綾
「大丈夫!大丈夫!・・・絶対逃げないで、乗りきるから‼(笑)」
マネージャー「もう少しで開演だからね❗」
綾「うん❗(笑)」
マネージャー「綾?」
綾「なあに?・・・」
マネージャー「すこし、変わった?(笑)」
綾「え?(笑)・・・」
マネージャー
「なんか、
前向きに成ったって言うか・・・?
まさか、誰かに恋してる?」
照れ笑いの綾。
コンサート会場前には、既に長蛇の列が出来ていた。
綾は、公演前コンサート会場の片隅から、外を眺めていると、ノキセアの姿を見付けた。
上杉綾「来たぁ~っ!(笑)」
コンサートを見に来た人々は、ノキセアより年齢の若い人々の多さに、少し気が引けるが、自分の決めた約束を果たすため、歩みを止めなかった。
しかし・・・・
ノキセアのケータイが鳴る。
ノキセア📱「もしもし。?」
天上界通信会社 交信士(imageハライチ澤辺)
📱「おー、ノキセア!(笑)」
ノキセア📱「あ、先輩。」
控え室の窓から、ノキセアが、何処に電話しているのが見える。
上杉綾「あれ?・・・こないのかな?」
綾がいる楽屋がわの窓に、視線を向ける、天使ノキセア。
綾も再び、ノキセアのたたずむ方角に視線を向ける・・・
綾「う、嘘だよね?・・・このまま、さよならなんて・・・・」
光のかけら達が、さらさらした雪のように、背の高い、天使だけにそっと降り注ぐ・・・
ノキセア「綾。・・・君はもう、一人じゃ無いんだよ。・・・大丈夫。」
ノキセアの囁きは、綾には届かなかったが、
綾はノキセアが、何処かに旅立とうとしているのがわかった。
綾「側にいるって、言ってくれたのに・・・・」
嗚咽を圧し殺すように、その場に座り込み、泣き出す綾。
女性マネジャーが、辺りを見渡すが、天使の姿はそこにはなかった。
(終わり)