空想携帯小説家作品集ht2355(20120708)'s blog

空想携帯小説家の作品を公開しています。

smile again前編(サウンドラブレター・シリーズ)

原案、イメージソング:
「smile again」山口由子より。

(病室内)昏睡状態の、青年の左手を、自らの両手を包む女性。

大島幸子(image松井玲奈)「涼太ぁ・・・私のせいだよね・・・ごめんね・・・」

(幼少期の回想)
大島幸子:
涼太と私は、10年以上の幼なじみで、私はよく、涼太の面倒を見ていた。

(囲まれてからかわれる、幼少期の涼太。)

いじめっ子①
「やーい、涼太のう○こったれぇ~(笑)」

いじめっ子②
「とーちゃん居ない奴は、ケツのしまりが悪いんかー?(笑)」

(練習の帰りか、
剣道の胴着姿の少女が、虐められている涼太を助けるため、

竹刀を振り上げ、絶叫しながらよってきた!)

大島幸子(幼少期)「てめぇらあっ!!」

いじめっ子①
「でぇったっ❗女男❗」

大島幸子
「俺の涼太を、いじめんなっつったろぉ❗」

いじめっ子②
「何だコイツ、こないだ、女子のスカートをめくってたぞぉ❗(笑)」

いじめっ子③
「うっそ、マジきもーい(笑)」

(いじめっ子がチリジリになり、何とか退散させた幸子。

幸子に抱きつく涼太。)

涼太「ねぇちゃーん( ω-、)」

(幼少の回想を終え、ため息をつく幸子)

大島幸子:体が弱かった涼太が、エリート街道へ登り出したって、知ったのは、数年前・・・・

(幸子が勤めるファミレス。

レジに立つ後輩が、
背後の流し場で、

洗い物をする幸子に語りかける。)

ファミレスの後輩(image松田るか)「せんぱーい、今度の三連休ぅ、どっか行くんですかぁ~(笑)」

大島幸子(image松井玲奈)「ん~、アニフェス・・・かなぁ・・・(  ̄- ̄))」

(なんと無く脱け殻の幸子に、ため息をつく後輩。)

後輩「せんぱーい、歳を考えましょーよー、アニフェスなんて歳じゃないでしょー?(笑)」

(ボソッと呟く幸子。)

幸子「もう、恋愛はめんどくさい・・・・」

(ちょっと挑発的な後輩。)

後輩「はぁ?、じゃあ、将来の夢は?・・・」

(表向きは沈黙を装う幸子。)

幸子「・・・・・」

小説家になること。・・・・でも、もう・・・

(何処かのテーブルのチャイムが鳴る。)

幸子「ほらほら、窓際のバーコードさんが、呼んでるわよ。」

後輩「バーコード?!」

(目を細めて、
国道側の窓際の席を見ると、

スーパーで売れ残った、キャベツような頭髪の男性が、

先程から顔を赤らめ、鼻息荒く、何かをぶつくさ言ってる。)

後輩「えーっ、バイトの私が行くんですかぁ~」

幸子「バイトもパートもカンケー無いのっ!」

(しぶしぶ、窓際のキャベツ男の対応をしている、後輩の様子を見ていると・・・)

若い男性「すみませーん、五人くらいなんですけど。」

(うつ向いたまま、いらっしゃいませを言わずに、レジの釣り銭を確認する幸子。)


幸子「(五人くらいってなんだよ。・・・て、えっ?)涼太っ?」

羽生涼太(image須賀健太)「あ、ねぇちゃん?!(笑)・・・」

幸子「涼太ぁ、久しぶりだよね~・・・高校生以来だよね~、へぇ~、馬子にも衣裳ならぬ、う○こったれにも、衣裳だよねぇ~(笑)」

涼太「ねっ、ねぇちゃん、場所わきまえなよっ!(笑;)・・・おまけに大声だしっ!・・・・」

(幼なじみに会えた喜びに、思わずたかが外れた幸子に、ドン引きの客たち。)

幸子「あ。・・・やっちゃった。(^_^;)」

涼太達を、少し広いテーブル席に案内をした幸子。

後輩
「せんぱーい、イケメンですね・・・・彼?・・・」

チラチラ涼太の方をみる、幸子。

幸子「涼太とは、単なる幼なじみだよ。」

後輩「へぇ~(笑)・・・だったら先輩、逆にアドレス渡しちゃえば?」

幸子「え?」

後輩「ここで再会したのも、何かの縁だし(笑)」

幸子「な、なにそのキモい笑いは・・・・」

後輩「いーやぁー、先輩も25年して、やあっと春が、きたんすねぇ~(笑)」

急に真顔になる幸子。

幸子「仕事しましょう。」

大島幸子:涼太と別れたのは、高校時代・・・女子高から、共学になって、六十周年を迎える頃だった。

(回想・高校時代)
昼休み、
眺めのいい空中庭園のような、
屋上のテラスで、
思い思いの昼食を取る、高校生たち。

幸子の高校の友人①
「( ,,-` 。´-)へーい、さっちゃん、おつかれちゃーん(笑)」

幸子(高校生)「あ、おつかれちゃーん(笑)」

幸子の高校時代の友人②「さちこー、知ってる?(笑)」

幸子「え、なになに?(笑)」

(何かを確認するように、顔を見合わす幸子の友人。)

友人②「昨日、物理の安村がぁ~、」

友人①②「自転車で、奥さんを後ろに乗せて、スッ転んだってぇ~(笑)」

幸子「なにそれ、ちょーウケるんですけどぉ~(笑)」

幸子:物理の安村(imageいつも明るい安村)は、涼太の担任の先生で、美人の奥さんをゲットしたそうな。

友人①「でね、その原因が、涼太くんからの連絡だったの。」

幸子「え・・・? 何だろう?」

友人①「あれ、なんもきいてないの?涼太くんから?」

幸子「だからぁ、なんなのぉ?」

友人②「涼太君、鎌倉市の学校へ、転校するんだって・・・」

幸子「えっ・・・・?」

食べかけのサンドイッチを置き去りにして、涼太の教室に走り出す、幸子。

幸子:うそ・・・うそだぁ‼・・・なんで?・・・なんでいきなり、転校すんのよぉ~‼

(後輩の高校生から、涼太が、駅に向かっている話を聞き、用務員の自転車を借りて、校舎を飛び出した。)

幸子:うそだ、うそだっ、うそだーっ!・・・・

あいつに貸しを作られたまま、バイバイなんて・・・出来ないよぉ!

(駅、涼太が一人でタクシーから降りて、改札に向かっている。・・・幸子が、涼太のうしろ姿を観て叫ぶ!)

幸子「ぅおいっ!涼太ぁ~ッ!」

涼太
「あ、ねぇちゃんっ!(笑)」

息を切らせながら、想いを発する幸子。

幸子「あんたさぁ、なんで(深めの咳を二回)・・・あたしに何も言わない・・・んだよっ!・・・うちらの仲は、そんなもんだったのかよぉっ!」

俯き、躊躇う涼太・・・
暫く、幸子の荒立ちが鎮まるまで、黙り混む。

幸子は、涼太の両かたを掴み前後に揺さぶる。

幸子「おい、涼太ぁっ!・・・なんとか言えよっ‼」

涼太は、幸子の熱い想いにも泣きそうになり、

空を見上げるが、
その空も泣き出しそうだ。

涼太
「ねぇちゃん・・・僕の母ちゃん、末期ガンなんだ。」

幸子「え?、涼太のお母さんが?・・・・

え、でも、
東京の方が医療施設が整ってるし、なんで・・・

何も、鎌倉まで行かなくても、

・・・それに私も(いっしょなら)看病してあげられるよっ。・・・

涼太。

東京に居なよ。」

涼太「鎌倉には、おじさんが居るから、暫く厄介になるつもりだよ。・・・もう、ねぇちゃんに迷惑かけたくない。」

幸子「涼太ぁっ!」

年下の涼太が、泣き出しそうな気持ちを押しきり、幸子を叱る。

涼太「ねぇちゃん、午後の授業・・・サボる気か?」

幸子「今はそんな話じゃ・・・・」

涼太「単位・・・足らないんでしょ?・・・卒業出来なくなったら、就職にも困るんじゃないの?・・・名古屋のおじさん、おばさんが心配するよ‼」

幸子「あんなの親じゃない・・・」

涼太「いい加減にしてくれ‼・・・帰ってくれ‼」

歳上の幸子が駄々をこねた。

幸子「帰らない・・・帰らないっ!・・・涼太に貸しを返すまで!」

幸子:涼太からの貸しって話は、私の初恋の話だ。

(つづく)