空想携帯小説家作品集ht2355(20120708)'s blog

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「死神ちゃん」2話(クリスマス読みきり小説)

木崎ゆりあ×空想携帯小説家・イメージ小説

※この作品はフィクションです。

2話

すべてをあかす日

(東京、とある議員宿舎

真夜中。
通路天井から、飛び降りる飯嶋岬。


飯嶋岬(image木崎ゆりあ
「あたしに、人を殺せるわけねーだろっつうのっ!」

真っ暗な通路で、背後から、足跡が響く。

岬「うわ、ちょーやだ。チビりそう。」

バタバタと慌てて、
給湯室の出入り口にある、
冷蔵庫の横に隠れた岬は、
ほっとため息をつく。


(飯嶋岬の回想)
ゼネラル(image大泉洋
「いいか、岬。
お前の右手には、
お前の記憶と引き換えに、

人の命を奪える能力(チャクラ)を授けた。」


岬「え?、なにそれ?」


ゼネラル
「今日からお前は、
チャクラに、
悪人の魂を喰わせていきながら、
お前の過去(きおく)を取り戻していけ。」


岬「え?、言ってる意味が解んないんだけど?」


ゼネラル「お前は、人間の身をもった死神となった。」


岬「は?」

(突然、回想が途切れるほど、怒号が聞こえる。)

警備員「貴様ぁ!議員宿舎で、何してる‼」

給湯室から顔をだし、キョロキョロする岬

岬「わ、私じゃないの?」

男「違うな?」

岬「え?」

ゆっくり後ろを振り向くと、
暗闇の窓辺から、
摩天楼を眺めながら、
コーヒーをすする、
スーツ姿の男に気が付いた。

男「私の名前は、桝田恵斗。厚生労働省副大臣を勤めている。」

岬「桝田恵斗。・・・・」

桝田恵斗(image鈴井貴之
「ここは、一般人は入れない筈だが・・・・もしや君は、だれかの愛人(ラマン)か?(笑)( ̄▽ ̄)」



「はぁ?言ってることがわかんねーんだけど?
・・・てゆうかさ、

モノレール・・・(造るの)止めろよ!」


桝田
「部署違いだ。てゆうか、リニアモーターカーだ。」


岬の手のひらが、青白く光り出した。

岬「あんた、なんか隠してるだろ?」

桝田「は?・・・なんのことだ?(笑)( ̄▽ ̄)」

岬「わたし、頭悪いけど、悪いやつって、大体わかる・・・」


無表情のまま、
異形の小型拳銃を、
スーツのうちポケットから、引き抜く。

桝田
「女の・・・直感か?(笑)( ̄▽ ̄)じゃあ、知られる前に、口べらしをしなきゃな。」

とつぜん岬の背後から、黒い物体が、桝田に飛び掛かる。


ゼネラル「やめろぉぉぉ‼」

飯嶋岬「ゼネラル?」

揉み合う人狼・ゼネラルと桝田。

突然、一発の銃声が鳴り響く。

ピクリと動かない、狼化したゼネラル。

岬「ぜ、ゼネラル?!」


岬が走り寄る前に、
桝田は、ゼネラルの首輪から、IDチップを引き抜き、
持っていた携帯でスキャンすると・・・・

桝田「ふっ・・・素体ナンバー、001か?新幹線襲撃事件の主犯。・・・まだ生きてたとはな?。」

岬「新幹線、襲撃・・・事件?」

桝田「おや?、君は知らないのかい?あの大事件?・・・・まさか、君は、・・・あの事件の生存者かい?」

岬「なんのことだよっ‼」

桝田「実験だったんだよ!」

横たわるゼネラルを、思いきり蹴飛ばす。桝田。

岬「なにすんだよっ‼」

警備員たちが、岬を取り押さえる。

桝田
「実験だったんだ(笑)( ̄▽ ̄)・・・

日本人を改造して、
兵士として売り出すために、

UMA計画を企画して、
海外企業達と極秘研究チームを組み、

ワクチンやら、
遺伝子組み換え食品を、

嘘のキャンペーンに託つけて、
無知無能の人々を誘い込み、

我々の実験結果の不適合は、日本の各地に棄ててきた。

ゼネラルも、そのサンプルそのものだ。(笑)( ̄▽ ̄)

だが、こいつらは、ある意味、自主性をもって、山中を生きていたのには、驚いたがな?」

飯嶋岬「ひどい・・・・。」

光り放つ、右手のチャクラから、笑い声が響き、

再び銃口を岬に向ける、桝田。

桝田「もし君が、あの事件の被害者なら、ゼネラル達を恨みなよ。じゃあ、そうゆうことで。」

瀕死のゼネラルが、言葉を発する。

ゼネラル「お前は・・・・自分の娘まで・・・・殺すのか?」

銃口を、ゼネラルに向け直す桝田。

桝田「なにいってんだテメーは?」

警備員の拘束を振り切り、ゼネラルにすがり付く岬。

ゼネラル「飯嶋岬・・・・この名前は、この子の隣で亡くなった、乗客の名前だ。」

開き直る、桝田

桝田「それがどうした?(笑)( ̄▽ ̄)・・・・人の留守に若い男を連れ込んで、酒池肉林の日々を送ってきた、あの女の子どもが、俺の子供だと?」

傷口を押さえる岬。

岬「ゼネラルっ!、もう喋んなっ‼しんぢまうよぉ!」

ゼネラルが呼吸をあらげながらも、話を続ける。

ゼネラル「結果は・・・・お前に・・・・任せるが・・・・いいか、親は・・・・親は・・・」

再び銃声が鳴り響く。

パトカーのサイレンが響くなか、警備員達の背後から、藤村と嬉野が現れた。

藤村「はーい、今までの発言、撮っちゃいましたーっと。」

嬉野「ネット拡散したから、もうじき、国の不正で大騒ぎだね?」

藤村と嬉野に向け、引き金を引く桝田と同時に、桝田に飛び付く岬。

桝田の上に馬乗りになり、左手で首を絞め、右手のひらを桝田の顔に向ける岬。

岬「もう、過去なんて、どうでもいい。」

右手に埋め込まれたチャクラが、カッと見開く。

その、吸い込まれていきそうな恐怖におののく、桝田。

飯嶋岬「あんたの靈・・・・ぶち抜くわ。」

瞬時に、死後硬直が始まり、絶命する桝田恵斗。

(次回最終回)